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2005/03/22
介護保険法改正案は現場に混乱と不安をまねく 橋本議員が鋭く指摘
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 衆議院本会議が22日午後開かれ、「介護保険法等の一部を改正する法律案」(閣法)についての尾辻厚労相からの趣旨説明に対して、民主党・無所属クラブから橋本清仁衆院議員が質疑を行った。

 冒頭、橋本議員は、20日に発生した福岡県西方沖地震について、「お亡くなりになられた方のご冥福を心よりお祈りする」と述べるとともに、被災された方々にお見舞いの言葉を述べ、政府に対して迅速かつ的確な支援を要請した。

 続いて橋本議員は介護保険法について、「全ての世代の今、そして未来への安心を左右する重要な法案だ」と強調した上で質問に入り、まず被保険者・受給者範囲の拡大の問題が先送りされている点を指摘。厚労相時代には医療制度改革も先送りしてきた小泉首相に対して、「社会保障制度一体的先送り、医療・年金・介護の三位一体の先送りだ」と厳しく断じ、保険料負担者の年齢拡大と受給者の全年齢への拡大についての意向を質した。しかし首相は、「社会保障全体についての議論を行う中で、被保険者・受給者の範囲についても精力的に検討を行い、平成21年度を目途として所要の措置を講ずる」などと誠意の感じられない答弁に終始した。

 橋本議員は更に、本法案が介護予防の充実の名の下に、家事援助のホームヘルプサービスなどを抑制し、健康な高齢者向けの介護予防を介護保険に取り込むという「不可解な内容」になっていることを指摘。「前提となるデータ、基準、改正で何がどう変わるかさえ明らかにせず」に、法案審議を要求する厚生労働省の不誠実な対応を厳しく批判した。

 在宅の重度介護者の問題や施設給付の見直し、地域包括支援センターの問題についても厚労相を質した橋本議員は、高齢者の権利擁護・虐待問題に触れ、この間、民主党が取り組んできた高齢者虐待防止・介護者支援法案の取りまとめと成立を期す決意を述べるとともに、小泉首相に対し、この問題に関してリーダーシップを発揮するつもりがあるかを質した。首相は、「引き続き高齢者の虐待防止や権利擁護の充実に向けて取り組んでいく」などとした。

 最後に橋本議員は、今回の介護保険法改正案を、「不明確な点が多く存在しており、介護の現場に大きな混乱と不安を巻き起こしている」と指摘。「民主党が近い将来、政権を奪取し、安心できる社会保障制度を確立する」との決意を披露して質問を締めくくった。

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