民主党の岡田克也代表は17日、愛知、三重の両県にまたがる4カ所を視察し、公共事業の新しいあり方や独自の技術力を生かした企業経営などの実際を見て回った。先の臨時党大会で再選された岡田代表は、全国47都道府県の様々な「現場」を訪ね多くの人々と意見交換したいとの意向を表明していたが、この日の視察はそうした“全国行脚”の第1弾となった。
岡田代表はまず、来年3月から開催される愛知万博(2005年日本国際博覧会)のメーン会場(愛知県愛知郡長久手町)を視察した。同会場では現在急ピッチで施設の建設が進められており、120を越える参加国・国際機関への出展モジュールの引き渡しが始まったところ。広大な丘陵地がダイナミックに姿を変える様子を眺めながら、財団法人2005年日本国際博覧会協会の幹部からの説明に聴き入った岡田代表は、特に「自然との共生」をテーマにして元の森や池などの地形をそのまま生かしながら会場建設が進められていることなどに関心を示し、「準備は順調に進んでいるようで楽しみだ。子どもに夢を与える万博を実現してほしい」と期待を語った。
次に岡田代表は、愛知県常滑市の中部国際空港建設地を訪れ、来年2月の開港に向けた準備状況を視察。建設事務所で中部国際空港株式会社幹部から概要の説明を受けた後、空港建設島に移動し、管制塔から一番機の乗り入れを待つ真新しい滑走路などを見渡した岡田代表は、「民間の知恵を生かして無駄なコストをなくし、使い勝手のいい空港ができつつある。地方における新しい公共事業の成功例だ」と感想を語った。
このあと岡田代表は地元・三重県に入り、独自の最先端メモリ技術で世界の半導体業界をリードする東芝の四日市工場と世界最高水準の液晶技術で情報家電業界を牽引するシャープ亀山工場を訪れた。東芝四日市工場ではNANDOフラッシュ技術を生かした先端メモリ製品の生産工程、シャープ亀山工場ではシステム液晶や大型マザーガラスの技術を生かした液晶テレビの生産工程などを見学した岡田代表は、高度に技術化されるとともに環境にも慎重に配慮された最先端の生産現場に感心した様子。2工場の視察を終え、「元気な現場を見た。独自の技術の価値を高め、国際競争力をつけた2つの工場は、日本再生の典型的な事例だ」と感想を述べた。
この日の視察には、中川正春、古川元久、伴野豊、近藤昭一、古本伸一郎の各衆議院議員、高橋千秋、直嶋正行、芝博一の各参議院議員らも同行した。
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