民主党が全国で展開している年金改革全国キャラバンの一環として27日、舞鶴市と綾部市で「民主党年金改革フォーラム」と題した年金懇談会が相次いで開催された。
舞鶴市での懇談会には、藤井裕久代表代行が参加。地元からも松井孝治参議院議員や多くの地方議員が参加した。懇談会は、平日の昼間に開催されたにもかかわらず、追加の席を用意しなければならないほどの盛況となった。
地元京都府第5区の小林哲也総支部長の司会の下、まず藤井代表代行が基調講演を行い、民主党の基本理念から説き起こして、教育、中小企業、社会保障、地方分権、安全保障など多岐にわたる問題について理路整然と議論を展開した。また、「権力は必ず腐敗することを熟知したイギリスなどで始まった二大政党制が、わが国でも実現しつつある。その一翼を担う民主党の責任は非常に重い」と指摘。年金問題についても、人口構成の大きな変化に全く対応していないことなどを挙げて、政府・与党の考えの欠陥を舌鋒鋭く指摘した。
続いて松井孝治参議院議員が、民主党の考える年金改革案について説明。松井議員も人口構成の変化に触れ、「30年前は10人で1人のお年寄りを支えていたのが、今では4人で1人、2030年には2人で1人のお年寄りを支えなければならないとの予測もある」として、「抜本的に仕組みを変えなければいけないのに、政府・与党が全くそういう案を出さないのは非常におかしい」と年金制度抜本改革の必要性を訴えた。
会場からは、消費税引き上げをめぐる問題、秋に予定されている臨時国会への対応、女性の年金問題、現行制度と民主党案との関連など、多岐にわたる質問が次々に出され、藤井代表代行や松井議員が、それら一つひとつに対して丁寧に答え、予定した時間をオーバーして議論が交わされた。
この日の夜には綾部市でも年金懇談会が開催され、こちらには古川元久政策調査会長代理が、松井議員らとともに参加。冒頭、挨拶に立った松井議員がまず、「政権与党に大改革はできない。政権交代で日本の社会を大掃除する力を、民主党にいただきたい」と力説。「われわれは誰にも公平な年金制度の実現のために、率直に語る」と決意を述べた。
続いて古川政調会長代理が、多くの資料をもとに民主党の年金改革案を説明し、「総理は議論したくないようだが、われわれはこうした場でも、もちろん国会でも、年金の議論は終わらせない」と述べた。
会場からは、最低保障年金というのはおおよそ幾ら支給する見込みか、受給開始年齢を何歳と想定しているか、といった民主党の年金改革案の内容に対する質問や、年金・介護・医療の問題をセットとして大きな図式で議論しないと、いったい負担がどれほどになるのか不安だ、といった指摘が行われる一方で、出生率の今後の見通し、社会保険庁を統合して歳入庁にすることのメリットなどについても、質問が相次ぎ、古川政調会長代理や松井議員がそれぞれ丁寧に答えていた。
いずれの会場でも、熱気にあふれた質疑応答が交わされ、年金問題に対する関心が依然として高いことをうかがわせた。
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