岡田克也代表は17日、前日の岩手・青森両県に続いて福島県を訪問。旧グリーンピアや農場などの視察に加え、二本松市長や地元関係者らとの意見交換も行うなど、精力的に行動して回った。
岡田代表一行は福島県に入り、まず二本松市役所で市長らと懇談。市長は小泉内閣の言う「三位一体の改革」について、「国の財政再建を優先するあまり、地方には非常に冷たいと実感した」と述べるとともに、「国は市町村の実態をどれだけ把握しているのか」と苦言を呈し、地方自治体が置かれている苦しい立場を説明した。岡田代表は、市長の発言に概ね賛意を示した上で、「小泉首相の言う三位一体改革には全体像がない。首相は、地方がもっとしっかりして欲しいと言うが、しっかりして欲しいのは首相自身だ」と述べ、民主党の考える地方分権の理念を説明するなどして、活発な意見交換を行った。
続いて岡田代表らは、県立霞ヶ城公園で二本松の菊人形を見学。公園には多数の観光客が訪れており、岡田代表は握手や写真撮影の求めに気さくに応じていた。一行は続いて二本松市内の「スカイピアあだたら」(旧グリーンピア二本松)を視察。岡田代表は、担当者や市長から、グリーンピア建設の経過や現状などについて説明を受け、広大な敷地内の温泉保養館などを見て回りながら、経営の実情や二本松市民以外の利用状況などを尋ねていた。
次に安達郡大玉村にある国分農場を訪れた岡田代表一行は、関係者の案内で農場内の牛舎や様々なプラントなどを見て回った。ここでは、近くの岳温泉から出る食品残さをもとにたい肥を製造したり、食品会社から出るうどんやパンの企画外の商品から飼料を製造するなどの取り組みを積極的に行っており、岡田代表は旅館や農家などが一体となってリサイクルに取り組んでいる現状に感心した様子で、次々に関係者に質問を投げかけていた。また会場を移して、地元観光業界関係者らと懇談し、有機野菜などの試食も行った。
視察を終えた岡田代表は記者会見で、「改めて、地方にはそれぞれ地方の知恵があり元気があると感じさせていただいた。地域で循環型の農業、産業が成り立っているのは、民主党が政策を考える上でも非常に参考になる」と、今回の視察の感想を述べた。また、記者からの質問に答える形で、旧グリーンピア二本松については「すばらしい施設だが、国が、国民が払った保険料を使ってやるべきことではない。官の側がしっかり反省しなければならない」とコメントするとともに、BSE問題に関する最近の政府・与党の対応についても「全頭検査が必要でないのなら、なぜ必要ないのか、科学的根拠をもとに説明できないと、われわれも納得しないし、何より消費者が納得しないだろう」と批判した。
なお今回の視察には、和田洋子(県連代表)、佐藤雄平参議院議員、増子輝彦、吉田泉、津村啓介衆議院議員らが同行した。
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