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2004/10/19
【衆院予算委】政治とカネ、景気経済動向など諸問題を5議員が追及
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 衆議院予算委員会では19日午後、辻惠、中津川博郷、小泉俊明、中塚一宏、津川祥吾衆議院議員がそれぞれ質問に立ち、関係大臣と質疑を行った。

 辻議員は、南野法務大臣関連の政治団体・南野知惠子後援会が日本看護連盟から2億円、1億5000万円もの巨額の寄付を受けている問題、しかもその会計責任者が看護連盟の会計責任者と同一人物であることを取り上げ、「業界団体の代表であるかのよう。それで法を司り、全国民を代表しての大臣の職務が務まるのか」と迫った。南野法相は「南野知惠子後援会は私の政治資金管理団体ではない」とだけ答え、看護連盟との関係については答えなかった。
 1億円ヤミ献金についても、事務当局から起訴・不起訴となった捜査の範囲、期間について報告を受けたかどうかを辻議員が質したのに対しても「聞いていない」「聞いているがここでは言えない」など答弁が二転三転し、審議が中断。辻議員は「法相人事は派閥順送りの象徴。小泉首相の任命責任は重い」とし、改革のやる気を疑うと決めつけた。

 続いて中津川議員は質問で、「一度つまずいた人は債務が足かせとなって新規の事業に進めない」として、民事訴訟法第228条4項(私文書における有印についての定め)について、古い法であり、本人の意思と関係なく、有印によって突然連帯保証人となり、債務を抱える被害も多いので「廃止すべき」と法相に質した。法相は「改正の必要はない」と拒否した。中津川議員は、前任の森山法相が廃止の検討対象と答弁していることを指摘し、「もっと勉強を」と諭した。中津川議員は他に包括根保証、債権譲渡などで、弱い立場の人に立った行政を進めるよう求めた。

 次に質問に立った小泉議員は冒頭、景気は回復傾向にあるとする細田官房長官、麻生総務相らに対し「現状認識にずれがある」と指摘。そのずれによって対策に狂いが生じ、長期的景気低迷から脱却できずにいるのが日本の現状であるとの認識を示した。「政治の最も基本的責務は国民の命を守ることにあるはず」と指摘した上で、昨年の自殺者数が3万4427人に及んだ責任は政府にあるとして、自殺者を減らすための対策を早急に立ち上げるよう強く求めた。
 郵政民営化について小泉議員は、世論調査でも改革を求める声は全体の2〜3%に過ぎないことを指摘し、「民営化は本当に最優先課題なのか」と質問。麻生総務相は「最優先課題のひとつと思う」とした。小泉議員は最優先課題であるかあいまいな上に、日本の利益につながるかどうかあいまいなままに進められていることが極めて問題だと指摘した。
 
 続いて中塚議員が質問に立ち、景気経済動向について取り上げ、小泉内閣が発足後に景気が悪化したにもかかわらず、そこそこの数字が戻ってきた現状に対して景気が堅調に回復しているとの認識を示している政府の無責任ぶりを批判。中塚議員は「果たしてそうか」と語り、「輸出関連設備投資の伸びはピークを迎え、そろそろ鈍化するのではないか。本当に回復基調に近づいているか」との考えを示し、参考人の福井日銀総裁の認識を質した。福井日銀総裁は「日本の景気は回復を続けている」とした。
 中塚議員は産業再生機構を活用するダイエー再建問題を取り上げ、2002年の予算委員会で官主導・政府主導の措置はないと答弁したにもかかわらず、方針が変更された点を問題視し、「先送りしておいて、なぜ今なのか」と質したが、竹中経済政策担当相は明確な答弁を回避した。

 続いて質問に立った津川議員は、電話加入権の廃止容認の答申が出されたことに関して、加入権は財産であり、これを政策によってなくすのは問題だ指摘、「多くの人が返ってくると思っている。加入権は憲法上の財産権にあたるのか。これをなくすのは財産権の侵害ではないか」と質した。内閣法制局長官は「財産として価値を有する限り財産権」と答弁した。
 津川議員はさらに「現在でも電話加入権を、担保として195億円の融資がされている。これをなくすと混乱する。そうではなく、新たに加入権を販売しない。加入権をいくらで買うかは市場に任せたどうか。また、月々640円を払うことで固定電話を使用するか、利用者に任せては」と提案。麻生総務相は「検討させます」と答弁した。

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