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2004/11/01
【衆院イラク特】日本人人質事件での政府対応の問題点質す
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 衆議院「国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会」が1日開かれ、民主党の藤田幸久議員、末松義規議員、岡島一正議員が質問に立ち、イラク日本人殺害事件に関連して政府の対応を質した。

 藤田幸久議員は町村外相が10月27日に外国プレスへ発信した「イラクで日本人を人質にしているグループへ」とするメッセージについて、4月の日本人人質事件とは性質を異にし残虐な側面があるとされた今回の犯行グループへのメッセージとしては不適切だったことを指摘。「的をついたメッセージでなければ効果はない」との厳しい見方を示した。また、バクダッドの鈴木大使がアッラウィー首相と直接会って協力要請をしなかった点も問題視し、「極めて限られた時間の中での対応だった」とする町村外相に「飛んでいって対処するのが外交ではないか」と厳しい口調で指弾。その上で藤田議員はグリーンゾーン内においても「外交活動」が行えない現状にあるのではないかとの見方を示し、大使館を開く以上は、最低でも大使が首都で相手国首相に会えるよう、民間警備会社なども活用して警備体制を整えていく必要性を指摘した。さらに、小泉首相が即座に「自衛隊は撤退しない」とした挑発的な発言が、犯人グループとの交渉を難しくした可能性を指摘した。

 続いて質問に立った末松議員は、犯人グループについて「残忍な行為がなされる可能性が高いことを認識していたか」を質問。外務省から「4月の人質事件と性格が違うと認識していた」との答弁を受けて末松議員は、「自衛隊は撤退しない」と即座に表明した小泉首相の不用意な発言を藤田議員同様、深刻に受け止めた。その上で末松議員は町村外相に「総理が言いすぎたのであれば、外交配慮し、あなたが総理のコメントを軌道修正すべき立場にあった」と述べ、人命を優先する配慮が必要だったことに改めて言及。しかし、細田官房長官はじめ町村外相は「自衛隊を撤退しないとする日本の考えを示すのも重要」とした。末松議員は続いて、31日午後10時半(日本時間1日午前4時半)ごろイラクで活動中の陸上自衛隊の宿営地付近に砲弾が着弾したとの報道を取り上げ、「非戦闘地域」とする根拠が揺らぎつつある現状を指摘。12月14日の期限が迫る自衛隊の派遣期間延長問題について、今国会中に十分審議するよう強く要請した。

 岡島議員は、考え得る万全の体制を整えてきたとする外務省の対応を質問。テロを自分たちの問題として捕える感覚が薄い日本人に対して外務省は広く発信していく必要があるとの見方を示した上で、外務省のホームページ上にある「テロの概要」とするコーナーにある「日本や日本人への脅威」とする項目が、2003年12月から更新されていないことを指摘。外務省の対応の不十分さを浮き彫りにした。また、7月以降、外国人を対象としたテロ事件がイラクで頻発している現状を指摘。外務省としてその現状を深刻に受け止め、情報発信していく必要性を重ねて指摘した。

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