民主党の岡田克也代表は4日午前、ベーカー駐日大使を表敬訪問した。米国大使館で約1時にわたって意見交換した岡田代表は党本部に戻って会見を開き、米大統領選でのブッシュ大統領再選を受けて発言するとともに、今後の日米関係について考えを示した。
ブッシュ大統領の再選について岡田代表は、「日米関係の重要性を踏まえて日米関係発展に向けて尽力して下さることを期待したい」と述べた上で、より国際協調を重視する考え方に立った世界の平和と安定へ向けた努力への期待感を示した。日米関係については、北朝鮮問題をめぐる6カ国協議での米国のリーダーシップ、在沖縄米軍基地問題や日米地位協定改定の問題、米軍のトランスフォーメーションなどに言及し、「日米間で緊密に協議しながら両国にとってよりよい結論を見出していくことを期待したい」と語った。
駐日大使との話し合いについて岡田代表は、「自分は野党というものを非常に重視している」と駐日大使が述べ、民主党との関係を重視していく考えを示し、野党第一党党首といつでも会う用意があると語ったことを報告した。
議論のなかではイラクにおける自衛隊の問題について「自衛隊の引き続きの存在維持」をベーカー駐日大使が求めたのに対して岡田代表は「米軍がイラクで存在しつづけることは必要であるし、米国の責任でもある。しかし、自衛隊については日本国憲法との関係でイラクに留まることは民主党としては反対である」との意見を表明した。
米軍のトランスフォーメーションの問題をめぐっては、両国共通の脅威について議論し、政治的な対応を整えるのは基本的にのぞましいとの考えを岡田代表は示した上で、普天間基地の問題について「再度大きな事故が起こると日米同盟全体にも響く深刻な問題にもなりうる」と指摘。しっかりとした対応を求めたのに対しベーカー駐日大使は「沖縄県民が重荷を背負っていることを十分理解しているし、真摯に議論している」と語った。
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