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2004/11/18
【衆院外務委】中川、松原両議員が日朝実務者協議の成果など質す
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 衆議院外務委員会が18日開かれ、第3回日朝実務者会議に関する報告を外務省より聴取した後に、質疑を行った。民主党からは、中川正春、松原仁の両衆議院議員が質問に立った。

 中川議員は冒頭、日本の報道機関が実務者協議に同行取材できなかった点を追及、なぜ外務省がこれに同意したのかを質した。外務省の藪中アジア・大洋州局長は、「きちんと今までの聞き取りをまとめ、整理する」と答弁したが、中川議員は「報道機関を規制したという外務省の判断は間違いだ」と断じた。

 続いて中川議員は、今回の日朝実務者協議において、成果があったかどうかを明確にさせるため、「何を北朝鮮側に要求をして、それがどこまで満たされたか」を具体的に質した。藪中局長は、50時間にわたるやり取りを「まさに今、整理をしているところ」とし、「精査し、可能な範囲で公表していく」ことを約束した。北朝鮮側の回答に対して、中川議員が「象徴的に、あまりに不自然な部分」があると厳しく指摘した点については藪中局長も基本的に同意しつつ、「聞き取ってきた材料があり、よく精査したい」とした。

 中川議員はこの他に、特定失踪者5名が未入国とされている点や次回交渉の見通しなども質したが、政府側の答弁は「まず精査の作業を全力でやる」との内容にとどまった。中川議員は杉浦官房副長官に対しても、政府としての今後の対応と総理の姿勢などについて言及。杉浦副長官は「経済制裁は視野に入っているが、(協議の内容を精査した)結果が出るのを待って政府としての対応を協議する」とした。

 最後に中川議員は、アメリカ議会で成立した北朝鮮人権法を例に挙げ、北朝鮮に対する「カードとして人権という考え方があるのではないか」と指摘し、逢沢外務副大臣も「重要な指摘だ」と応じた。

 続いて質問に立った松原議員は、冒頭に拉致協議が長期化している理由を質し、拉致被害者およびその親族が生きている間に拉致問題を解決するためにはスピーディーな解決を目指す必要があり、そのためには経済制裁というメッセージも必要であると主張し、政府の見解を求めた。これに対して杉浦官房副長官は、「そういう時期にきている。経済制裁も視野に入れている」と答えた。

 松原議員は次に、拉致は2人の責任者によって行われ、その処分はすでに済んでいるとの北朝鮮側の主張の信憑性を質し、もし金正日総書記が関与しているとすれば従来の方法では問題解決は困難であると指摘し、国家としてどのように対応するのかの判断が求められていると主張した。その際、被害者の取り戻しとともに、主権の侵害に対する対応が重要であるとし、経済制裁といったカードを持たずに交渉することの愚を追及したが、外務省の薮中局長は経済制裁を直接持ち出すことはなかったと答弁した。

 松原議員は続けて、今回持ち帰られた「証拠」に言及し、北朝鮮側の証拠捏造の例として先回の協議の時に提出された8枚の死亡証明書を取り上げつつ、横田めぐみさんの遺骨についてもDNA鑑定が出るまで信用できないとした。これに対して外務省の薮中局長は、真相究明に全力をあげていると答弁するにとどまった。

 松原議員は最後に、早急に経済制裁の段階的発動を行うべきであると主張し、人道援助についても世論の8割が否定的であることを指摘して、政府に対して北朝鮮側に明確なメッセージを出すように求めて質問を締めくくった。

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