鳩山由紀夫『次の内閣』ネクスト外務大臣は、25日の衆議院国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会で、イラク戦争後、テロが急増している事態を踏まえ、テロとの闘いは「武力で押さえ込むことが、憎しみの連鎖を生んでいる」として、小泉首相に見解を質した。首相は「武力だけでなくなるとは思っていない」と答弁したが、イラク戦争以前からテロは横行している、との認識は変えなかった。鳩山議員はさらに、「武力以外が主流にならなければならない。わが国の憲法は戦争を封じている。それを広めなければならない。教育の普及、貧困と闘うのが本当の正しいあり方」として、イラクの高官が「1年前まではイラクにテロはなかった」と言っていることを紹介し、アメリカのための協力としか思えない、と政府を批判した。
その上で鳩山議員は昨日まで中東を5日間にわたり訪問し、現地の要望を提案するとして、「アフガニスタンではタリバンよりも軍閥に脅威を感ずるとしている。米軍によるタリバン掃討作戦ではなく、軍閥対策に力を注ぐべき。阿片などの密輸を軍閥が行っている。海上自衛隊による支援よりも、こうした政策をより充実させていくべきではないか」と質した。また、パレスチナの自治政府議長の選挙が中東の平和にとって重要であるとして、民主党からも選挙監視団を送るので、政府としても派遣するよう求めた。町村外相は、様々な援助の方策があるとしながらも、選挙監視団の派遣は明言しなかった。
鳩山議員はイラクでの自衛隊の活動に関して、フランスのNGOによる給水活動を紹介し、「自衛隊の派遣の延長だけを言うのは間違い。首相には自衛隊の安全確保義務がある。これには非戦闘地域のような、国または国に準ずる、との主語はない」として、首相に自衛隊員の安全確保の義務を問うた。首相は安全確保は「当然」としたものの、鳩山議員の「たまたま負傷者がいなかっただけではないか。攻撃を防いではいない。アナン国連事務総長は国連職員派遣にあたり、万一の時はその職を辞す、と言っている。同じ覚悟はあるのか」との追及には「(攻撃を防げなかったとは)思っていない。今後も安全確保に全力を挙げる」と答えるだけで、何の覚悟も示さなかった。
|