参議院本会議が26日開かれ、平成15年度決算について報告があり、民主党からは谷博之参議院議員が質疑に立った。
谷議員はまず、小泉首相に来年も靖国神社参拝を続けるつもりがあるかを質問。今年相次いだ自然災害を踏まえ、会期延長による補正予算の年内成立、新潟県中越地震対策の特別立法化への所見も質した。
谷議員は続いて、来年度予算編成前に提出された平成15年度決算に関し、早期提出を評価するとともに、15年度決算を17年度予算にいかに反映させるかを質しつつ、会計検査院がせめて参院本会議には出席できるようにすべきと主張。また、イラクへの自衛隊派遣問題についても、民主党などが提出したイラク特措法廃止法案を「審議するだけでなく、堂々と採決に付していただきたい」と主張した。いわゆる三位一体改革についても、「3兆円という数字だけを合わせた、改革とは似て非なるもの」と断じ、それぞれ首相の見解を質した。
また谷議員は、障害者支援費制度についても今年は「2百数十億円の不足が見込まれている」として厚生労働大臣に見解を質しつつ、平成15年度決算について会計検査院の検査報告で430億円もの無駄遣いが指摘されたこと、さらに、たなざらしになった事業への支出(背景金額)が2兆2432億円にも上ることを指摘し、平成16年度にはこれらの金額を減らすことを約束するよう首相に迫った。
さらに谷議員は、北海道警が会計検査院による検査妨害を行うという「きわめて悪質な」行為を厳しく批判し、これをなぜ摘発しないのか、国家公安委員長を厳しく質し、全国の警察での公費着服事件とその後の鈍い対応を指摘して、国家公安委員長の辞任を強く迫った。
政治とカネの問題にも言及した谷議員は、政治資金規正法改正案を審議する気もない、と与党側の逃げの姿勢を厳しく批判して首相の見解を質し、最後には「そろそろ賞味期限切れになってきた小泉総理には、一刻も早く退陣を願う」と断じて質問を締めくくった。
決算審議の先頭を切って熱心な質問を行った谷議員に対する小泉首相の答弁は、答弁書の棒読みに終始。靖国参拝は「適切に判断する」と明言を避け、補正予算については「急いでも通常国会の冒頭」とし、特別立法は「早急に対応を検討する」などと答弁。会計検査院の本会議出席や、イラク特措法廃止法案、政治資金規正法改正案などについてはいずれも、国会でよく協議を、などといつもの他人事のような答弁に終始した。
また、村田国家公安委員長は、警察に対する信頼回復が重要だとして自らの責任には触れず、検査妨害を刑事事件として取り上げるか否かについても、「北海道警察において個別具体の事実に即して判断されるべきものであると考えられる」と答弁書を棒読みし、全くリーダシップのない姿勢が明らかになった。
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