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2006/05/01
水俣病公式発見50年にあたり(談話)
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民主党幹事長
鳩山 由紀夫

 本日、水俣病は公式発見から50年の節目を迎えた。

 民主党は、この日に当たり、改めて思いもよらぬ公害病により、かけがえのない命や健康、そして人生を奪われたすべての被害者の皆さま、その家族・遺族のすべての皆さまのご無念・ご労苦に対し、痛苦の念をもって心よりお詫びを申し上げる。

 たしかに水俣病発生の原因は一企業にある。しかしその被害拡大と被害者救済の遅れ、それにより新潟における第二の水俣病発生を引き起こしてしまったこと、さらには係争を長引かせ被害者、家族の方々に二重三重の苦しみを与えてしまった、この半世紀に及ぶ水俣病の歴史に最も責めを負うべきは国であると断ぜざるを得ない。同時に、われわれ立法府に身をおく者一人ひとりの「怠慢」もまた厳しく問われるべきと真摯に反省せずにはいられない。

 今日、一昨年10月15日の最高裁判決を受け国は、「今後の水俣病対策について」を発表、実施にいたっている。しかし、多くの関係者の合意は得られず、新たな係争すら生んでいる。現在、公健法に基づく救済を求める申請者は約3800名にもなり、また新たな訴訟の提起者も1000名を超えている。

 公害の原点と言われ、「NO MORE MINAMATA」は世界中で掲げられているにもかかわらず、半世紀を経た今日なお、この水俣病問題が全面的に解決され得ないでいるという、この極めて恥ずべき事態を謙虚に反省し、真の全面的解決に向け最大限の取り組みを行わねばならない。

 民主党は、すべての水俣病被害者に対して必要な医療を国の責任として補償する「水俣病に係る被害の救済に関する特別措置法案(仮称)」の制定を中心とした総合的な水俣病対策を提起し、今年度中に全面的解決への道筋を示す。また、疫学調査の実施をするなどして水俣病の全容を明らかにし、すべての被害者が安心して健やかな生活が出来るような態勢作りを行う。国はいまだに認定基準の過ちすら改めようとしないが、民主党は、徹底した疫学調査や医学的研究を踏まえて、水俣病像の解明にも取り組んでいく。

 さらに民主党は、国民一人ひとりのいのち・暮らしよりも産業・経済成長を優先させた水俣病問題は決して過去の「負の遺産」ではなく、食品や医薬品の安全性問題から耐震偽装問題に至るまで、いまだ利権・権益擁護を最優先する自民党型政治が脈打つことを告発し、それに終止符を打つ政治改革をさらにすすめる。

 民主党は、水俣病公式発見50年の日に当たり、水俣病という未曾有の悲劇のすべてを私たちの未来に徹底的に活かしていくことのみが、被害者・家族の皆さんの歩んでこられたこの半世紀に及んだ苦悩の歴史に私たちが応えることが出来る途であり、全ての人々の思いであると強く訴えるものである。


以 上

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