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2004/12/13
【参院イラク特】大江・主濱・富岡議員 説明責任果たさぬ政府質す
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 参議院のイラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会が13日午後開かれ、大江康弘、主濱了、富岡由紀夫各参議院議員が質問に立ち、イラクへの自衛隊派遣期間延長問題などで、説明責任を果たそうとしない政府の姿勢を厳しく追及した。

 大江参院議員はまず、「いつでも呼んでくれれば、必ず(委員会に)出て、思いや考えを述べると言っていた総理が、何故いないのか、残念」として、「総理はどこへ」を質した。細田官房長官が「通常どおり、公務」と木で鼻をくくったように答えたため、大江議員は「自衛隊の派遣延長という重大な決定をした初めての国会審議だ。これ以上の公務はあるのか」と詰問。細田長官が「国会の指示で参っている」と再び不誠実な答弁をしたため、大江議員は「国会が指示したことはない」と、政府が説明責任を果たそうとせず、また国会に責任を転嫁する姿勢を批判した。

 続いて大江議員は、「1年間、自衛隊はどのように活動し、何が足りなかったのか、国会でしっかり議論し、決定すべきではなかったか」とし、また「国民の半数が反対している理由」をどう考えるかを質した。細田長官は「人それぞれのいろいろな思いがあると思います」と、世論、有権者の意思を無視するかのように、他人事のように答えた。さらに大江議員は、オランダ軍が撤退した後、「600人の体制で十分か」どうかを質した。大野防衛庁長官は「十分とは言えないかもしれないが、600人が適正な規模と思っている」と、これまた自衛隊員の安全確保義務を忘れたかのような無責任な答弁。

 大江議員は最後に、「政府の言い方だと、サマワが戦闘地域になれば帰ってくることになるが、その時点で帰ることは世界の信頼を失う。いつまで、解釈、枝葉の議論で自衛隊を海外に派遣するのか、それが残念」と、政府の場当たり政策を批判した。

 続いて質問に立った主濱参院議員は、小泉首相の「自衛隊が活動している地域が非戦闘地域」との答弁を、「イラク特措法上、正確でないことは明らか」と断じた上で、「答弁というものは、直接相手に対する回答であると共に、その後ろにいる人たちへの答えである」と指摘。(答弁が)おかしかったらば問い返せばいい、という首相の発言を、「聞かれなければ説明責任を果たす必要はないと言わんばかり」だとして、「全く嘆かわしい」と厳しく批判した。主濱議員はこうした見解に対して大臣の所見を質すとともに、この委員会質疑に首相が出席していないことを問題視。細田官房長官は、国会が決めたことには従うなどの答弁を繰り返した。

 主濱議員はさらに、イラク全土への非常事態宣言の発令は「イラクの治安の極度な悪化を端的に示すもの」と指摘し、現在の自衛隊の活動地域や米兵輸送の実態などについても質した。また今後1年間もサマワが非戦闘地域であり続ける根拠を尋ねた質問に対しては、大野防衛庁長官は、「サマワの治安情勢は、自衛隊が入ったときに比べて、特に衝突案件等は増えていない」などとした。最後に主濱議員が、不測の事態が生じた際に、誰がどのように責任をとるのかを質し、細田長官は、全ての責任は内閣にあり、その議長である総理にも当然責任はあるし、担当閣僚にもある、などとした。

 続いて富岡参院議員が質問に立ち、首相が今日の委員会に出席していないことについて、「理事会の中で総理の出席をわれわれは要求した」とし、「与党の理事は、官邸と協議した結果、総理の出席はできないとの答え」だったと指摘。出席要請は聞いていないとした細田官房長官の答弁の矛盾を突き、見解を質した。細田長官は、「要請は承ったかもしれないが、院の意志としては承っていない」などと、逃げの答弁。

 富岡議員はさらに、イラク戦争の正当性について、アメリカが戦争を始める理由として、アルカイダとフセイン政権の関係及びイラク国内における大量破壊兵器の開発を挙げていたことを指摘し、「両方ともなかったことを、どのように認識しているか」、政府の見解を改めて質した。町村外相は、「イラクは平和的解決の機会を活かそうとしなかった」などとこれまでの答弁を繰り返したが、富岡議員が、国連のアナン事務総長が、アメリカの攻撃は国連憲章に照らし合わせても明らかに違反だと発言している点を指摘すると、町村外相は、通告がないなどとして直接の答弁を避けた。大量破壊兵器の有無については、町村外相は、その有無に関わらず(イラクが)自ら証明義務を怠ったところに違反があるとし、「
あったとか、なかったとかに関わりはない」などと答弁。

 富岡議員は、アメリカが国際協調路線を逸脱しているのではないかという点に懸念を示し、「アメリカが国際ルールに違反しているときには、総理がもっと真剣に言うべきだ」などと指摘して、質問を締めくくった。

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