20日、民主党定期大会において、福岡県の麻生渡知事と連合の笹森清会長が来賓として挨拶を行い、民主党に対する激励と期待を述べた。
来賓挨拶に立った麻生知事は冒頭、民主党が福岡において党大会を開催したことに対し深く感謝の言葉を述べた。続いて知事は、日本の政治が政党政治であり、日本は過去2回の総選挙によって二大政党制の時代、そして政権交代が可能な状況に入ったこと、および困難な課題を抱えつつ冷戦後一変した諸情勢の下で改革を進めていかなければならないことを指摘した。また、知事はサッチャー英国元首相の回想録に触れ、野党時代の研鑽の成果がサッチャー改革の糧となったことを指摘した。知事は、これらを踏まえた上で、民主党がさらにエネルギーを養うことを期待すると述べた。
次に知事は地方分権の問題に触れ、地方自治体がめざしている分権は、単に国の権限と予算の配分を求めているものではなく、国の役割と地方の役割を区別し、それぞれがその役割を十分に果たすことができるようにするためであると述べ、民主党に対して三位一体改革を含む地方分権運動への一層の理解と推進を要請した。また知事は、福岡県がアジアの中でどう活動していくかにつねに留意していることを述べた上で、アジア諸国との長期的な友好関係の構築は国政の大きな課題であると指摘し、この点においても民主党への期待を表明した。
最後に知事は、民主党の今後の活躍に強い期待を表明して挨拶を閉じた。
続いて来賓挨拶に立った連合の笹森清会長は、登壇直後にまず岡田代表とがっちりと握手。「いつも辛口の挨拶をしているが、それは間柄が近いことと民主党への期待感によるものだ」とした上で政権奪取に向けての笹森メモとして以下の項目を提案した。
(1)党組織を整理・再編し、党決定・発信・伝達の明確化・迅速化、(2)さまざまな政治理念をもった人々が混在している党事務局の一本化、(3)47都道府県の選挙区できっちりとした地方組織の確立・整備、(4)離合・集散の政党歴史の中で、無所属議員にとどまっている地方議員に入党を推進、党員拡大し、地方議員を系列化、(5)支持団体の強化・拡大、(6)政権をとるための政権政策の強化等を列挙した。
笹森会長はかつて連合が掲げた「平和、しあわせ、道開く」とするスローガンをひいて「小泉政権下で平和・幸せの道は開けていない」と語り、民主党に対し、本気で世界の平和を守るための行動を見せなければならないと指摘。同時に国民のしあわせの道を開くために社会保障制度の実現にむけた国会活動の展開の必要性を要請。「強行採決された制度をこのまま放置していてはならない」と断じた。
笹森会長は「政権獲りましょう」と呼びかけて満場の拍手を受け、挨拶を締めくくった。
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