民主党は30日、第1回のマニフェスト公聴会を長崎市内で開催した。パネリストとして、枝野幸男政調会長・ネクスト官房長官、仙谷由人経済財政担当ネクスト大臣、大塚耕平金融担当ネクスト副大臣、高木義明長崎県連代表、犬塚直史参議院選挙予定候補者が出席し、経済・雇用、金融・税制、外交・安保の各分野ごとに、集まったおよそ400人の参加者と熱心な論議を交わした。
冒頭、基調報告に立った枝野政調会長は、願望の羅列にすぎず、ほとんど守られることもなかった従来の日本の選挙公約のあり方が、政権交代可能な2つの勢力が争う状況がつくられつつあることにともなってようやく見直されようとしている、とマニフェストの意義を説明。民主党政権が実行すべき政策について忌憚なく意見を寄せてほしい、と呼びかけた。
経済・雇用政策をめぐっては、まず仙谷経済財政相がマニフェストの方向性を提起。デフレ脱却に向け、(1)地方ごとに職業教育や新規起業への支援に税金を使えるようにする、(2)モノからヒトへ税金の使い道を変え、新しいサービス産業を創出する、の2点がポイントになるとした。
会場からは、年金制度を財政的に維持する展望について質問が出され、仙谷経済財政相は、年金の一元化のもとで、税金による基礎年金に加えて納めた額に応じた額を給付する制度へ2〜30年かけて移行するという年金改革のビジョンを説明した。
金融・税制政策をめぐっては、大塚金融相が、企業活動を支え育てる本来の金融機能の再生、消費を喚起し企業投資を促進する税改革の実現という方向性を提起。中小企業への融資拡大の方策に関する質問に対しては、政府系金融機関に担保に頼らない融資を義務づけるなどの施策を検討していることを明らかにした。
外交・安保政策については、欠席した前原誠司安全保障ネクスト大臣に代わって枝野政調会長が基本姿勢を説明。米国との関係を最重要としつつも一辺倒にはならず、(1)韓国・中国・ロシアなどアジア諸国との関係を重視する、(2)国連を大事にする、の2点を基本とすることを明示した。
枝野政調会長は最後に議論の総括として発言し、来月中にマニフェストをまとめ、自民党にも明示を迫っていく考えを明らかにした。
|