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2003/09/18
「真面目すぎるほど具体的に示した」枝野政調会長
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民主党の枝野幸男政調会長は18日午後に開いた「次の内閣」会議後の記者会見で、「民主党政権公約」(マニフェスト)の第一次草案を発表するとともに、約1時間半にわたって記者団からの活発な質疑に答えた。

 今回発表したのは、政権公約のうち各論に相当する部分で、本文はA4判16ページ。「失業のない、つよい経済を再生します」「税金の無駄遣いをやめ、公正で透明性のある政治を実現します」「『自立力』をもった活力に輝く地域を創造します」「子どもや高齢者、女性が安心して暮らせる社会をつくります」「国民の命と健康を守るつよい社会を実現します」の5本柱、合計52項目にわたり、民主党政権誕生後の第1期4年間に必ず実現する公約を、具体的な数値目標、期限、財源とともに示している。

 このうち、景気回復・経済再生策については▽失業率を4%台前半以下に引き下げる▽緊急対策として住宅や自動車に関するローン利子控除制度を04年度に創設▽政府系金融機関における個人保証を5年間で撤廃▽04年度に国直轄公共事業・特殊法人向け支出の1割削減などで約1兆4000億円、05年度に同2割削減などで約2兆5000億円の経費を削減し、財政規律を維持しながら予算の使い道を大胆に転換し、経済再生を進める−−などの具体的な数値目標が並ぶ。

 このほか、▽06年度までに国の補助金20兆円のうち18兆円分を廃止し、12兆円を地方自治体が使途を決める「一括交付金」に、5.5兆円を所得税から住民税に税源移譲する▽中小企業予算を7倍増▽学童保育を1.3万箇所から2.0万箇所に増やす▽介護拠点のグループホームを1万箇所、約10万人分増設▽06年までに健保本人の医療費自己負担を2割に引き戻す▽小児医療の患者負担を1割とする改正案を05年度までに提出▽5年間で48%に落ち込んだ凶悪犯罪の検挙率を5年前の84%に回復させるため、4年間で地方警察官を3万人以上増員する−−など。

 「小泉首相の示した政権公約とどのように違いを出すのか」との問いに対して枝野政調会長は、「今日公表したものは、すべてこの5年間かけて党内でコンセンサスができているもの。これが明確な違いだ。小泉首相がマニフェストを言うなら、まず青木参議院幹事長と一致させてから言うべき」と一笑に付す余裕を見せた。

 重要な法律改正事項などについては、05年度、06年度までに法改正を行うと先送りされているものもあるが、この点を問われた枝野政調会長は、「仮に総選挙で勝利しても、参議院では少数与党であり、重要法案は通せないという前提に立って考えており、すぐに実現できるのは予算や条約だけになる。参議院は半数改選のため、来年の参議院選挙で大勝できたとしても、ぎりぎり過半数という状況が続く」「真面目すぎると言われるほど、具体的で現実的な前提に立って示した」と強調した。

 改革の理念などを盛り込んだ政権公約の総論部分などについては、10月5日の合併大会までに菅代表・岡田幹事長・枝野政調会長が協議して最終的にとりまとめ、大会当日、菅代表自身の言葉によるメッセージとして発表される予定。

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