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2005/10/18
【衆院本会議】菊田議員、障害者支援の拡充目指す民主党案を質す
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衆議院本会議で18日、民主党・無所属クラブの菊田真紀子議員が、政府案、民主党案2案に対する質問を行い、民主党案の法案提出者の山井和則、園田康博両議員が答弁に立った。

 菊田議員はまず、17日に小泉首相が靖国神社を参拝したことにふれ、「政教分離の原則からも慎重でなければならないのに、国民にも、近隣諸国に対しても何ら説明責任を果たさないまま、参拝を繰り返す小泉総理の姿勢は極めて無責任だ」ときびしく批判。中国や韓国などアジア外交にも重大な影響を与え、国益を損う事態を招いているのは遺憾であるとして、猛省を促すところだと指摘した。

 中越大震災や大雪など多くの天災に見舞われた地元・新潟に対する全国からの支援に菊田議員は謝意を示すとともに、そうした体験を踏まえ「高齢者や障害者、小さな子どもたちを守ることは大変むずかしく、困難な情況に遭遇した」と主張。悲惨な情況にあっては、自己努力と自己責任では解決できない様々なハンディを抱えている社会的弱者に対して、やさしい政治を実現しなくてはならないとの決意を表明した。

 その上で菊田議員は、政府案について本当に障害者の自立促進に繋がるかいなか甚だ疑問だとする見方を示し、尾辻厚労相に対して当事者の声を反映した政策とはいえないと指摘した。それに対して尾辻厚労相は「立案過程においては障害者の方々も参画していただいた」などと述べた。

 次に菊田議員は、日本の障害福祉関係予算はOECD諸国と比べて極めて低い水準にあることを指摘し、「先進国並みのノーマライゼーションの達成に向けては無駄な公共事業をやめ人や福祉へ予算をふりむけるべきだ」と問題提起した。そうした視点に立って谷垣財務相に対しては「障害者に応益負担を求める前に、税金の無駄遣いを徹底的になくするのが先ではないか」と訴え、社会福祉や社会保障を槍玉に挙げるばかりで、そもそもの予算配分や無駄遣いを正そうとしない財務省の姿勢を批判した。

 同時に、障害者施策の妥当とされる予算規模についても谷垣財務相に質問。年金だけか、もしくは年金とわずかな工賃でぎりぎりの生活を送っている障害者に対して応益負担を求めるは福祉の理念に反するものではないかとして、尾辻厚労相の見解を質した。
 
 尾辻厚労相は「負担を求めるに当たってはきめ細やかな負担軽減措置を講じる。工賃等の収入の少ない方や重度の障害がある方でも年金と工賃で対応できるように配慮している」などと答弁。谷垣財務相は「平成17年度予算でもきびしい財政事情のなか7532億円を計上した」として、必要な予算を確保しているとの認識を示した。

 菊田議員はまた、どうしても応分負担を求めるのであれば障害者の雇用の場の拡大や作業所での工賃増のシステムの確立など、具体的施策が必要と指摘した。

 さらに菊田議員は民主党案に対して、政府案との最大の違い、予算等について質すとともに、「党派を越えて郵政民営化法案以上に活発な議論を」と求めた上で、間違っても拙速な採決がなされることのないように強く求め、質問を終えた。

 答弁に立った山井議員は精神障害者通院費用、更生医療、育成医療について「存続していく。政府案にあるように、障害者に一律の1割負担を求めることはしない」と明言。精神障害者通院費用の公費負担は「心の病を抱えている方々の命綱ともいえる制度だ」として、政府案で公費負担廃止を打ち出すことは自殺者増の引き金ともなりかねないと指摘し、「自立支援医療どころか自殺支援医療だ」と述べた。同時に、更生医療、育成医療については、「難病や心臓病や腎臓病をはじめとする、そういう病に苦しんでおられる障害者の方々に対する大切な公費負担制度は存続させると考えている」と語った。
 
 同時に政府案について山井議員は「福祉の流れを逆行させるものだ」と批判。「政治とは人の命を守るものだ」と強く訴え、もっとも弱い人の立場にたった民主党案への理解を求めた。さらには民主党案に対して質問をしなかった与党議員に対して「なぜ正々堂々と質問しないのか」と語気を強め、質問もせずに批判だけするその政治姿勢に断固抗議した。

 続いて答弁に立った園田議員は、民主党案の施行に伴う予算について「総額約960億円を見込んでいる」と答弁するとともに、日本における障害者施策の予算配分が極めて低い状況にあっては、「障害者への福祉サービス、医療体制、生活支援やバリアフリーなどの地域基盤の整理、障害者施策という観点で現状を認識する必要がある」と指摘。「この法案の審議を契機として、総合的な検討を行い、丁寧な議論を積み重ねた上で、いままで立ち遅れていた障害者施策の拡充と障害者自身の権利の拡充を行っていく」と語り、政府による障害者の実態を把握しない拙速な制度づくりを否定するとともに、民主党案による障害者支援の拡充を目指していくと主張した。

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