衆議院本会議で18日、民主党提出の「障害者の自立の支援及び社会参加の促進に関する法律案(障害者自立支援・社会参加促進法案)」の質疑が政府提出の障害者自立支援法案とともに行われ、民主党・無所属クラブの村井宗明議員が趣旨説明を行った。
村井議員は趣旨説明の冒頭、「ぜひ、全国の障害者の方々の悲痛な叫びに耳を傾けてください」と政府・与党に訴えるとともに、税金の無駄遣いをなくし、必要な福祉などへの財源は充実させる温かい改革こそが民主党の使命であると宣言。「この『障害者自立支援・社会参加促進法』という対案こそが、民主党の暖かい改革のシンボルである」と主張した。
利用者に原則1割負担を求める政府案について村井議員は、障害者の自立生活や社会参加にブレーキがかかるとの見方を示し、それに対して民主党案は「障害者の定率利用者負担を求めずに従来の応能負担としている」と説明し、民主党案によって障害者の自立生活や社会参加はこれまで以上に進むと強調した。
民主党案では、障害者の自立生活と社会参加に対する従来以上の支援を目指し、(1)現状の支援費制度を基本的に継続して精神障害者も加えて一元的に拡充(2)居住生活支援、就労支援事業、コミュニケーションや移動に必要な支援事業などへの国の財政責任を明示(3)2年間かけて障害者の声を聞きながら、あらゆる障害を対象とした「包括的障害者福祉法」の制定を目指す――などの点が法案に盛り込まれているのが特徴。
村井議員が「なお、民主党案では精神通院公費や育成医療や厚生医療は存続させます」と趣旨説明で主張したように、政府案が提出した場合、現在公費補助がある精神障害者通院費用、人工透析患者など「更生医療」や障害児など「育成医療」対象者の医療費も原則1割負担に引き上げられてしまうのに対し、民主党案では「存続」を明示している。
民主党案が主張する障害者福祉を実現するには政府案に比べて年間270億円の費用が多くかかる実態を説明した上で村井議員は、「しかし、厚生労働省の総予算21兆円という金額のなかでは0.13%にすぎない」と指摘。先進国のなかで大きく立ち遅れてきた日本の障害者の社会参加を促進させる上では必要な費用だとして、民主党案可決に向け、政治家個人の良心による判断を強く求めた。
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