22日、神奈川県を訪問した前原誠司代表は、県内各地で大勢の聴衆を前に、精力的に党の政策を訴えかけた。
ときおり小雨がぱらついた天気も、夕方までには回復し、秋の深まりを感じさせる冷涼な空気があたりを包んだ夕刻には、前原代表、鳩山由紀夫幹事長、笠浩史国民運動委員長、蓮舫参院議員が一堂に会し、横浜駅前で、党の政策や自らの思いを熱く聴衆に語りかけた。
横浜駅西口で前原代表は、冒頭、「国民の皆さん方が望まれていることにはしっかりした考え方を示し、政府与党が取り組まないことについては提案をしていく」と、自らの掲げる対案・提案路線を改めて表明。民主党の法案に影響を受けて与党が方針転換した国会議員互助年金制度の早期廃止の例を挙げ、今後もぶれずに改革の姿勢を貫くと約した。
その上で前原代表は、「改革という言葉をもう一度かみしめてほしい」と聴衆に要請し、政府や自民党による過去の税金の無駄遣いや、国民の皆さんへの今後の負担押し付けは、改革という言葉を使えば許される訳ではないとの見解を示した。
例として、高齢者の負担金額の増加や先端医療の自由診療化などを盛り込み、次の通常国会での審議が見込まれている医療制度改革に言及。「民主党もしっかり対案を出す」と表明した上、いのちに関わる問題について、甘い言葉にだまされず、中身を吟味してほしいと本質への理解を求めた。
さらに、「改革」という名前と本質のずれを示す例として、障害者自立支援法案を取り上げ、養護学校から就職先の問い合わせを受けても、応えられない現実があると、具体的な経験を語った。医療やサービスに対して原則1割の定率負担を強いる法案の問題点に対しては「まさに弱者を切り捨てて、お金持ちの人を(優遇し)、格差があっても良いという社会を進めようとしている」と厳しく批判した。
その上で、本当に支援を必要とする方々に新たな負担を押し付けようとする政府与党には、不要な公共事業に多額の税金をつぎ込み、ムダづかいで借金をためた責任があると強調。「おかしくなってきた今の政治に歯止めをかけて、まともな議論ができるような言論の府に」国会を変えるべきとの考えを示すとともに、「本当に自分たちの子どもたちの将来を思う、国を憂う」議員が必要だとして、民主党の主張への更なる理解を求めた。
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