26日の衆議院厚生労働委員会で、田名部匡代議員に続き五島正規議員が、地域で自立した生活を送るための基盤整備が重要であるとの立場から、政府の見解を質した。
五島議員は冒頭、身体障害者の支援費制度に伴うホームヘルプサービス利用状況を例に、利用者が低く留まっていた原因を明らかにした上で、必要なサービスが今後あまねく提供されるか議論すべきと主張。市町村を中心とした利用調査の積み上げと適切なサービスの提供体制を欠いたために、一般高齢者の介護保険制度でのサービス受給状況と比べて、行き渡らなかったと分析した。
続いて、障害保健福祉関係概算要求の概要について質し、市町村の財政状況によって、地域生活支援事業の提供に差が出ないかと懸念を示した。また、所得保障に関する厚労省内での議論の進捗状況を質した。尾辻厚労相は、施策の対象者や仕組み等に係る問題を整備している段階であり、3年後の見直しまでに検討を重ねるなどと答弁。これに対して五島議員は、地域生活を送るための方策や所得保障を、制度として組み込むという基盤整備を無視していることこそ、法案の最大の問題であると見解を示した。
小規模な自治体において、地域生活支援事業の提供が困難な事態になるとの五島議員の指摘に対しては、厚労省の中村社会・援護局長より、大きな費用が発生した場合の対応を十分考えること、重度な方に対する在宅でのサービス提供体制のあり方や支える諸制度の連携の仕方について、まさに基盤整備の観点から取り組むとの答弁があった。
五島議員はまた、医療や介護、福祉の制度と連携した、総合的なサービスを提供するという観点を求めた。中村局長は、課題を解決するとともに福祉介護医療を組み合わせた対応を研究し作り上げる、それが基盤整備だとの考えを答弁で示し、五島議員は、その基盤整備がない中では、法案の審議がきわめて神学論争的になると釘を差した。
このほか五島議員は、医療制度改革や支援決定プロセスの判定制度について質問。きめ細かいサービスの提供のためにも、まずは基盤整備が必要であると改めて述べ、前国会で全会一致で採択された11項目の付帯決議の取り扱いを委員長に確認して質問を終えた。
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