党の両院議員総会が17日午後3時より、都内で開かれ、新代表選出のための衆参両院の国会議員192人による無記名投票の結果、前原誠司候補が新代表に選出された。
投票結果は、有効投票は190票、無効投票は2票、菅直人候補94票、前原候補96票だった。この投票結果は満場の拍手で確認された。
前原新代表は当選直後の挨拶で、「皆さん方の投票の結果、新代表に選出されました。その職責の重さと、国民の生活向上のためにわが党が担わなければならない責任は極めて大きなものだと思っております。全身全霊を懸けて、政治生命を懸けてこの職責全うさせていただきます。僅差でございました。菅候補に投票された方のお気持ちを汲み取って、挙党一致で新体制をスタートさせ、国民の負託の応えるよう、身を粉にして頑張る所存でございます。どうぞよろしくお願いします」と述べ、国民の期待に応えるため、全力を挙げることを誓った。
その後、菅候補、岡田克也前代表とともに、前原新代表は壇上で固い握手を交わし、大きく会場の拍手に応え、党は総選挙敗北から再生のスタートを切った。
菅候補は「心からお礼を申し上げる。うれしい気持ちも少しある。前原さんを全力で支える」と御礼挨拶した。
両院議員総会では、投票に先立ち、菅、前原両候補がそれぞれ、総選挙での党の敗北からいかに立ち直り、国民の期待に応える党を築くかに関して政見を発表した。
菅候補は、「党の再生には二つの理念が必要」として、一つは「ホリエモンかホームレスか」の自由主義ではなく、「最小不幸社会」を築くこと、もう一つは「霞が関の解体と再生」、この二つを「強者の立場に立つ自由主義に純化されている」小泉自民党の対抗軸として掲げることを提唱した。
さらに、反転攻勢を21日に召集される特別国会から始めることが必要だとして、「具体的に国民の皆さんに理解してもらえるように」、郵政の対案、官製談合の追及、アスベスト対策などで党の存在感を示すようにしていきたいと語った。
前原候補は、「わが党が再生しないと民主主義がなくなる。与党だけでは民主主義は機能しなくなる」として、党の解党的出直しが必要と訴え、既得権益に囚われない党、対案を必ず示す、闘う政党として党を再生することを訴えた。
その上で「税金の無駄遣いをなくすこと。ここに切り込むことが改革の本丸」だとして「行政改革なくして増税なし。これが我らに与えられた使命ではないか」と訴え、「今の自民党ではできない、人に温かみのある政治を」築くために、「打ちひしがれている暇はない。もう一度闘う姿勢を示そうではないか。一緒に闘い、国民を豊かにしようではないか」と呼びかけた。
新代表への選出を受けて、岡田克也前代表は記者団の質問に答えた。
岡田前代表はまず、代表選挙の結果について、「突破力・若さに(代表選の)有権者は賭けた。非常に期待が持てる」と率直な感想を語った。所属議員や関係者には「民主党のためではなく、国民や日本の民主主義のために政権交代を目指すという原点を忘れず、新しいリーダーを盛り立てて協力する姿勢が必要だ」と語った。
岡田前代表はまた、新たに代表の重責を担う前原さんへのアドバイスを尋ねられ、「自分のやるべきことは何かを見失わず、集中してやり遂げること」と回答。その上で、この1年確実にやるべきことは「党の再生と、政権を取るための基礎固め」に他ならないとの見解を示した。
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