29日午後、参院本会議において神本美恵子参院議員が小泉首相の所信表明に対する代表質問を行い、教育問題や男女共同参画などについて、首相の見解を質した。
冒頭に神本議員は、長年の小学校教員としての体験を踏まえて、校内暴力の多発などの教育現場の困難な状況の根底には小泉構造改革があると指摘し、首相に現状認識と対応を問い質した。これに対して首相は、日本の発展は教育の結果であり、引き続き充実した教育環境の整備に努めるとの一般論で答えるのみであった。
次に神本議員は、教育基本法のあり方について、国会に「教育基本法調査会」公開の場で国民的な議論を行うべきだと迫ったが、首相は調査会の設置は各党の協議事項であるとして、正面からの答弁を避けた。
さらに神本議員は、基本を維持しつつも時代の要請に応えるための義務教育改革の方向性について首相の考えを質したが、首相は全国的な制度、機会均等の確保、市町村や学校の裁量の拡大などと抽象的な答弁に終始した。
神本議員は、国際的に見てGDP比で見劣りする日本の教育投資の拡大の必要性を訴え、中山文部科学相の見解を求めた。これに対して文科相は、単純な比較は困難であるとしつつ、義務教育は国が責任を持って対応すると答弁した。
神本議員は、少子化は男女共同参画が進んでいないためだとして男女共同参画の推進を訴え、また家庭内暴力などが泣き寝入りさせられている現状を正すために独立した人権救済機関の設置を訴えた。首相は、少子化対策と男女共同参画が軌を一にすることを認めて積極的に対応すると答え、また人権擁護法案を提出していくと答えた。
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