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2005/09/29
【参院本会議】直嶋議員、公務員・年金・医療制度改革の方向質す
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 参議院本会議で29日午後、小泉首相の所信表明に対する代表質問が行われ、午前中の円より子議員に続き、直嶋正行議員が民主党・新緑風会を代表して質問に立った。

 冒頭、直嶋議員は、参議院での郵政法案否決を理由に、小泉首相が衆議院を解散したことに関して「憲政上も疑義がある」として、両院協議会の開催や衆院の3分の2の多数による再議決など、参院で否決された場合の措置が法律上認められているにもかかわらず、解散に打ってでた小泉首相は立憲主義への侵犯にあたるのではないかとの考えを示した。

 同時に、与党の圧勝の結果、衆議院の議席の3分の2以上を与党が占める状況となった点については、「やろうと思えば何でもできる多数与党体制に対し、国民にも戸惑いが広がっている」と指摘。そうした戸惑いに対して、首相には国民に対する説明責任があったにもかかわらず、郵政問題以外、所信表明演説ではほとんど語らなかった姿勢を「何ら説明することの無いまま、平気で国民に負担を強いる、消費税増税やサラリーマン増税などを進めてしまうのではないかとの危惧は拭いきれない」と直嶋議員は語った。

 同時に、「1年で辞めてしまう小泉総理がこうした状況をつくったことで、残り3年間に大きな不安を残すことになった」と直嶋議員は述べ、首相の任期後は何も見えない状況について「日本の政治を危機におとしめる危険性を十分秘めている」と指摘した。

 続いて、首相が所信表明演説で言及した公務員改革に言及。一部の報道でも、2005年度から国家公務員の定数を「5年間で10%削減」するとし、10月初めにも閣議決定すると伝えられている点にもふれた上で、削減する国家公務員の対象範囲、総人件費をいつまでにいくら削減する考えかを明示するよう、首相に求めた。

 首相は答弁で、削減対象・進め方等をめぐっては「基本指針の策定に向けて、経済財政諮問会議で今後議論していく」と語った。

 社会保障改革をめぐっては、年金に関する一元化、医療制度改革等に一言もふれていない首相の所信表明について「これでは国民が期待する真の改革を断行できるのか甚だ疑問だ」と批判。国民年金制度改革の方向性、国民年金未納の具体的対策について質問した。

 小泉首相は「国民年金保険料の納付率の向上が急務」とする認識を示した上で、保険料を納付しやすい環境づくりを進めるとともに、強制徴収の実施や免除制度の適用などを的確な対策を強力に推進しているなどとした。また、年金制度の一元化については、まずは国民年金と共済年金の一元化が先とする認識を示した。

 次期通常国会の重要課題としながら、自民党のマニフェストでも「次期通常国会に法案を提出する」としているだけにすぎない医療制度改革についても取り上げ、制度改革の柱、検討状況、窓口負担や保険料負担等の見通しを示すよう、首相に求めた。

 この問題をめぐって首相は、「国民所得を上回る勢いで伸びていくことが見込まれる医療費の適正化をはかり、国民負担を極力抑制するとともに、国民皆保険制度の持続可能性を確保していくことが早急に取り組むべき課題」と語った。

 そうした質問を行うとともに直嶋議員は、国民負担増を求める前に打つべき手として、いわゆる検査漬け薬漬け医療をやめさせること、診療報酬の適正化などが国民医療費の抑制につながるとの見方を示すともに、財政措置を優先させる従来の発想の転換や、診療報酬の単価の改定だけでなく、診察の頻度に影響されない包括方式導入による診療の効率化を検討するよう首相に提案した。

 さらに、直嶋議員は、日本歯科医師連盟から3000万円の献金を受けながら収支報告書に記載せず、政治資金規正法違反で告発されたものの、「不起訴処分」になった山崎拓元自民党副総裁の問題に言及。東京第2検察審査会が下した「起訴相当」の議決を承知しているか、橋本元総理の1億円やみ献金問題についての認識等を首相に質問。「医療制度を議論する前にこれらのヤミ献金問題をクリアにしておく必要がある」と述べ、事実解明に向けた首相の強いリーダーシップを強く求めた。

 官製談合の問題については、先の通常国会で民主党が独禁法の改正において、発注官庁職員の談合行為に対する内部告発を促すしくみや、官製談合防止法の見直しを明記した対案を提出したにもかかわらず、成立した政府案には、この点が大きく抜け落ちていたことを問題視した。その上で直嶋議員は、すでに官製談合防止対策のための法律案を民主党が近いうちに国会に提出する予定であることを説明。「与党も官製談合防止が本気で必要と考えるなら、民主党の法律案に賛成していただきたい」と首相に詰め寄った。

 アスベスト対策をめぐっては、その危険性を知りながら、具体的な対策を取らず、通達を出しただけという、政府がこれまでの怠慢が被害の拡大を招いたとする見方を示すとともに、被害者救済への早急な取り組みを首相に求めた。

 最後に直嶋議員は、「わたしたち民主党は、勢力こそ減らしたが、前原新代表のもと、本物の改革を目指す政党集団として一致結束、次の選挙では必ずや国民の皆様の信頼を回復し、政権を担当することをお約束する」と力説し、質問を締めくくった。

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