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2005/09/30
【次の内閣】郵政改革法案を了承、国民の権利と国の責務を明確に
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民主党『次の内閣』は30日午前、国会内で臨時閣議を開き、党の郵政改革調査会(会長:原口一博衆議院議員)が取りまとめた郵政改革法案の最終案を承認した。

 閣議後の記者会見で、ネクスト郵政改革担当の原口議員は、閣議決定の中身、民主党案の目的、法案提出の戦略的な意義、調査会をフルオープンにした理由を報告した。

 民主党の郵政改革法案の目的については「郵便と決済・少額貯蓄のサービスを受けられる」という国民の権利、いわば金融社会権を保障して「国民の安心を守る」ものであると表明。「国でなければできないこと」にはしっかり責任を持つという、国の責務が明確であると述べた。

 対案提出の意義については、民主党がこれまでムダづかいを許さず、官僚社会主義と戦ってきたという姿勢を示したなどと説明した。また、郵政改革調査会の議論を公開したことにより、党のたたかう態度や前向きな議論を行った経過を、国民の皆さんに示せたと意義を指摘し、「建設的に、国のかたちや国民の皆さんの権利について、どのように保障していくか、という議論を巨大与党に対して挑んでいきたい」と述べた。

 松本剛明ネクスト官房長官(政策調査会長)も、経営の健全性の確保について、税金を投入せずに済むと試算していること、経済環境も踏まえ、最終的には国が責任を持つかたちにしていることを補足した。また、障害者自立支援・社会参加促進法案の提出時期については、「もう少し時間がかかるが、対案としては必ず出すことに変わりはない」として、集約された党内意見を踏まえ法案の詰め作業や答弁準備などを急ぐなどと語った。

 法案の概要は、以下の通り。

(1)郵便及び郵便貯金については、国の責任で全国的サービスを維持する。2007年10月1日以降の経営形態は、郵便は公社、決済サービスは公社の100%子会社である郵便貯金会社とする。

(2)2006年度中に郵便貯金の預入限度額を700万円に引き下げる。2007年10月1日以降、郵便貯金については、定額貯金は廃止(新規預入を停止)し、預入限度額を500万円に引き下げる(注1)。旧貯金については郵便貯金会社に特別勘定を設け、公社の委託を受けて管理・運用を行う。

  注1:預入限度額引き下げ前に預け入れた定額貯金等については、満額到来前まで当初預入額は有効。

(3)2007年10月1日以降、簡易生命保険は廃止する。旧契約については、公社の子会社として保険業法に基づき2つ以上の郵政保険会社を設立し、これらの会社に分割譲渡する(注2)。郵政保険会社は、窓口業務を公社に委託できるものとする。各郵政保険会社の株式は、2012年9月30日までにすべて売却し、完全民営化する。

  注2:実際には、公社と各郵政保険会社との間で再保険契約を締結。

(4)郵政改革とあわせ、特殊法人・独立行政法人等の抜本的改革を進める。公社及び郵便貯金会社、完全民営化までの郵政保険会社による財投債・政府保証債・格付けの無い財投機関債の購入を禁止する(注3)。

  注3:国債と財投債を明確に区別するための措置を講じる。

(5)2007年10月1日以降、公社の役職員は非公務員とする。公社の役職員には、守秘義務、忠実義務等を課す。

(6)天下りを禁止する。

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