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2006/06/22
【衆院イラク特】山井議員、自衛隊イラク派遣と撤退の問題点を衝く
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21日午前、陸上自衛隊のイラク支援活動からの撤退決定を受けて開かれた衆議院イラク特別委員会において、山井和則衆院議員が質問に立ち、自衛隊のイラク派遣の問題点および撤退にあたっての問題点などを質した。

 山井議員は質問冒頭で、イラクに派遣された自衛隊員が無事に帰国できることを喜ぶとともに、イラクへの自衛隊の派遣が法的にも無理を重ねたものであり、これが悪しき先例となってアメリカからの支援要請が拡大していく危険性を指摘した。そして質問に入った山井議員は、自衛隊の宿営地であるサマーワにおいて14回もの襲撃などの事件が報じられていることに触れ、サマーワは本当に非戦闘地域であったのかと質問した。安部官房長官は、他地域に比べれば安定しており、総合的に判断してイラク特措法に言う戦闘地域には当らないとの持って回った答弁を行った。この答弁に対して山井議員は、非戦闘地域というのはフィクションであると鋭く指摘した。

 山井議員は、なぜ今撤退するのか、人道支援は終わったのかと、唐突な撤退時期の設定を衝いた。官房長官は、応急復旧的な支援が必要とされる時期が終わったためであると答弁したが、山井議員はオーストラリア軍などが撤退するからではないのかと、決定の不透明さを指摘した。

 山井議員はさらに、航空自衛隊が残り、その活動範囲が拡大する点を捉えて、米軍との一体化が進む懸念を指摘した。額賀防衛庁長官も官房長官も、あくまで国連からの要請があったことを残留の理由としてあげ、アメリカからの要請については言及しなかった。山井議員は、これでは国民に対する説明は不十分であり、航空自衛隊員に対しても失礼であるとした上で、バグダッドにおいてもイギリスの輸送機が撃墜されている事実を指摘して、航空自衛隊が活動する地域も戦闘地域ではないのかと質問した。防衛庁長官は、非戦闘地域であると考えており、安全を確認しながら活動すると答弁したが、山井議員はこれに対して派遣する地域は安全だと勝手に考えているだけだと批判した。

 山井議員はここで、麻生外務大臣および安部官房長官の二人の自民党総裁候補に対して、万一日本の輸送機が撃墜された場合の責任について質問した。外務大臣は国連事務総長からの要請があったので自衛隊に判断を委ねた答え、官房長官は全く安全とはいえないが誰かが支援をしなければならないと答えた。

 山井議員は陸上自衛隊の撤収について、長い車列で100キロ移動するのは狙われやすく、宿営地の警備を解いていくのも危険であり、どのような安全策を取るのかと質問した。防衛庁長官は、駐留する各国軍や現地の治安部隊などと連携を取り、住民の理解を得て撤退すると抽象的に答弁するだけであった。

 山井議員は、イラク派遣経験のある自衛隊員の自殺率が平均の2倍であることを指摘し、帰国後のケアの必要性を訴えた。防衛庁長官は、イラク派遣とストレートに結びつくものではないと答弁した。

 山井議員は、陸上自衛隊員の無事帰国と航空自衛隊の撤退を求めて、質問を終えた。

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