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2005/04/20
外交は失敗、郵政は偽物の改革 岡田代表が党首討論で
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 岡田克也代表は、20日午後に行われた党首討論で、小泉首相の外交を失敗、郵政改革を偽物と鋭く批判し、反省を求めた。

 岡田代表は、小泉外交がアジアを軽視しており、そのことがアジアでの日本の孤立化を招き、日本の国連安保理常任理事国入りに中国・韓国からの賛成を得られておらず、日本の国益を損ねている、などとして首相に反省を求めた。しかし首相は従来の考えを繰り返すにとどまった。また年金改革については、14日の年金改革両院合同会議での与党側の発言を取り上げ、これでは抜本改革はできないとして、自民党内での指導力発揮を求め、自民党の具体的な案を合同会議に示すことを迫った。首相はこれに直接答えず、民主党の案を議論すればいいとのすり替え答弁に終始。郵政改革問題では、窓口ネットワーク会社に3分の1以上の国の資本が入っているにも関わらず、コンビ二・住宅リフォームなども手がけることを取り上げ、首相の進める民営化は官業の肥大で偽物の改革であると批判した。首相は、民営会社が行うのは競争であると開き直った。

 やり取りの概要は以下の通り。


 冒頭

岡田 今朝の福岡の地震について、心からお見舞いを申し上げる。自民党の若い国会議員が、自民党の候補が勝たなければ地震からの復興はないと演説していたことに、心から怒りを覚える。

 外交

岡田 北朝鮮問題を話し合う六者協議は、1年間も開かれていない。中国・韓国との関係も、領土・歴史認識をめぐり難しい状況にある。日本はアジアで孤立しつつあるのではないか。関係改善に努めてきた先人の努力が水泡に帰す懸念すら持つ。総理の責任は免れない。反省を求める。

小泉 友好関係の発展に支障がないような対応が必要だ。

岡田 それは一般論だ。中国の若者が日本への怒りを持っていること、デモをしていること、これについて日本が原因をつくったことを反省すべきだ。

小泉 デモは否定しないし、反対もしない。

岡田 反日機運が盛り上がっていることについて、日本側にも原因があったのではないか。あまりにもアジア軽視の外交だった。日中関係に対応してきたと言うのであれば具体的に。

小泉 日中重視の外交だった。行動で示していく。

岡田 日中関係は日本の経済・安全保障の面からも重要だ。国連安保理常任理事国入りの問題で賛成してもらえるよう、韓国・中国にどういった戦略を持って対応してきたのか。日本外交の完全な失敗ではないか。

小泉 理解してもらうよう努力してきた。

岡田 何もしてこなかったことは、はっきりしている。責任を感じてもらわなければ困る。侵略の歴史を美化しているのでは、との批判がある。村山談話の認識を共有しているのか。

小泉 同じような認識を共有している。

岡田 日中首脳会談でもその認識を述べて欲しい。日本の戦後の歴史は自信を持っていいし、誇っていいことだと思う。その自信に裏付けされた謙虚さがあっていい。それで近隣諸国に対処すべきだ。日中関係は危機的な状況にある。首相在任の4年間に大変なことになった。再構築する責任が総理にはある。改善の端緒をつくるべき。できないのなら民主党に任せて欲しい。

 年金制度改革

岡田 両院合同会議で丹羽雄哉さん(自民党)は、改革を断行したと言い、公明党の冬柴幹事長は、優れた抜本改革と言った。こうした現状認識では抜本改革はできない。総理も同じか。

小泉 昨年の改革は優れたものと思っている。民主党は違うと思っている。政党が違うのだからそれでいい。それを踏まえて協議するのが、あの会議ではないか。

岡田 産業・雇用構造の変化に、現行の制度は対応できないのではないか。これは総理も言っているが、あの二人は違う。国民年金制度をどう思うか。4割の人がきちんと保険料を払っていない。多様なライフスタイルと制度が合っていないので、安心できる制度になっていない。その認識は。

小泉 今、提起されたことを協議しようというのが、あの会議だ。

岡田 聞いたことに答えるべきだ。

小泉 国民年金は破綻しているとは言えない。将来を見ると問題だ。だから協議をすべきだ。

岡田 すべての年金の一元化との絵を描いた上で、段階的ならいいが、そこを与党はどう考えるか。40年勤続の人や専業主婦がそれを支えるというモデルは通用しない。時代に対応した制度をつくらないと、一部の限られた人だけの国民年金になってしまう。

小泉 負担と給付、保険料、納税者番号制について民主党の案を提示し、それをもとに議論することを拒否していない。

岡田 自民党の中で、一元化が望ましいとの総理の意見を委員に伝えて欲しい。民主党の案を出せというなら出す。国会決議の中で、お互いの案を持ち寄ることになっている。自民党の案も是非出すべきだ。

 郵政改革

岡田 自民党の考えは国業公営の肥大化だが、民主党は縮小を主張している。総理は自民党に近づいた。100%民営で、簡保・郵貯の資金を運営できる案を示すべきだ。35兆円を貸付けする人材やノウハウなしに10年後に貸付けできるというのは絵空事だ。できないとなれば、官の肥大化を招くだけだ。

小泉 できるように制度設計をしている。近く政府案をつくる。公社のままでいいのか、公務員がどうして350兆円を運営できるのか。

岡田 私は35兆円の貸付けの話をしている。焦げ付けば税金で穴埋めすることになる。可能なモデルが示されていない。

小泉 今、努力している。27万人の公務員でなければできない仕事とは思わない。今月中に政府案を決定する。

岡田 公務員でなくすための民営化は、本末転倒だ。窓口ネットワーク会社には3分の1の国の資本が入るが、この会社がコンビニや住宅のリフォームもするのは官の肥大化だ。

小泉 民営化された会社がするのは競争だ。激烈な競争が、より国民が望むような商品を生む。

岡田 民営ではない。3分の1以上、国が株を保有している。郵政改革のスタートは、特殊法人に財政投融資資金が流れることを止めようということだった。公社の財投機関債は50兆円から150兆円に、首相の在任中に増えている。官の肥大であり、偽物の改革だ。

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