岡田克也代表は20日、東京都内でジョン・ハワード オーストラリア首相と会談した。
会談冒頭、ハワード首相からは、総選挙の時期・小泉首相の任期等を確認した上で、民主党の位置づけに関する質問がなされた。岡田代表は「われわれはセンターだ」と述べた上で、自民党が保守であるのに対し、民主党は改革を志向する政党であることを明らかにした。
日豪間の自由貿易協定(FTA)締結に関する議論では、ハワード首相が、「民主党は日豪の経済関係をさらに拡大する関係づくりに熱心だと聞くが」と前置きした上で、岡田代表の認識を質した。「当然進めるべきと考える」と岡田代表は述べ、FTA締結に前向きな姿勢を示した。同時に日本の場合、省庁間の利害調整が非常に重要な意味をもつことを首相に説明し、同日行われる小泉首相との会談の際、小泉首相がそうした点に関してイニシアチブをとるよう進言してみてはどうかと提言した。
自衛隊のイラク派遣の問題についても議論が行われ、岡田代表は、戦闘地域への自衛隊派遣を禁止する憲法上の理由から、民主党が派遣反対の立場をとることを改めて明示した上で、「ただ、オーストラリアが自衛隊の安全確保のために派兵してくれることに感謝する」として、オーストラリア政府の決断に謝意を示した。
中国問題も取り上げられ、一連の中国でのデモ等をどう見るか問われたのに対して岡田代表は、「大使館への投石といった暴力には反対する。ただ、多くの若者があれだけ多くデモに参加した背景については考えるべきことがある」と語った。また、戦争をめぐっては加害者に比べ被害者の方が忘れ得ないものだとの考えを示し、そうした点を考慮していく必要性を指摘。同時に小泉首相就任後、日中関係がぎくしゃくしていることに危惧を示した。
また、国連の常任理事国入りをめぐる議論もなされ、岡田代表から日本の常任理事国入り支援の姿勢をとるオーストラリア政府への感謝を表明がなされた。
郵政民営化の問題をハワード首相から問われたのに対して、岡田代表は、「小泉総理の案では今の国営会社がさらに大きくなるといった形。それでは無理だろう」との認識を示し、郵便だけでなく、金融・保険も含め、国民資産の3分の1に当たる350兆円の運用にあたっては政府案では難しいとの考えを語った。
更に同日午後、党首討論に臨む岡田代表に対してハワード首相は、「私は野党の経験も首相の経験もあるので、両方の気持ちがわかる」などとした上で、岡田首相に対して「健闘を祈る」とのエールが送られた。
なお、会談には鳩山由紀夫『次の内閣』ネクスト外務大臣、海江田万里ネクスト経済産業大臣、前原誠司ネクスト防衛庁長官、藤田幸久国際局長が同席した。
|