3日午後の衆議院行政改革特別委員会で、武正公一議員は独立行政法人の問題を、渡辺周議員は非常勤国家公務員の問題を取り上げ、徹底して税金を無駄遣いをなくすことが必要であると訴えた。
武正議員はまず、国の行政機関の定員の推移に関する資料などを提示し、独立行政法人は国家公務員の総定数を削減するために使われる一方、人件費は相変わらず税金から出ているという指摘があると述べた。その上で、行革推進法案は、国家公務員の非公務員化をはかり、独立行政法人を生む制度設計ではないかとして、関係大臣に見解を質した。「形を変えただけというには当たらない」という中馬行政改革担当大臣の答弁に対し、民間の力を必要とする部分と国がやるべき部分の検証が必要であるとした。
続いて武正議員は、独立行政法人の役員の構成に関する調査に言及。4人に3人が、出身省庁を含めた公的な団体から役員に就任しているという結果を紹介した。また、その役員の4分の1が有給兼職であるほか、職員に各省庁からの出向者が含まれることなどを指摘し、専門性や業務の継続性から止むを得ない措置であるかと強い疑問を呈した。
さらに武正議員は、国有財産の売却にも触れ、国民の資産が安く売却されることはあってはならず、引き続き監視と追及を行う考えを示した。
続いて質問に立った渡辺議員は、冒頭、行革推進法案について「努力目標を書いてあるだけで、可決・成立によって、国民の望む、税金の垂れ流しが止まるものではない」との見解を示した。その上で渡辺議員は、公益法人における特命随意契約について、いくつかの機関の例を挙げ、現実的な無駄遣いの解消のためには、見直しを指示するのみならず、実際に見直しが進んでいるかについての検証と結論の提出が必要だとした。見解を求められた小泉首相は「不必要な無駄な仕事は、役所がやる必要は無い、という意識を改革して徹底してゆきたい」と答弁した。
渡辺議員は、約13万6千人の非常勤国家公務員についても取り上げ、「中央省庁ですら、数や人件費を把握していない」と問題点に言及。要求した資料を調査した結果、アルバイトや参与、顧問などを合わせた非常勤国家公務員の総人件費は、平成17年度の予算ベースで1千億円を超えていると報告。また、「庁費」などの名目で支出されており、各局や各出先機関での採用ということもあり、実態が明らかでないと指摘した。
渡辺議員はまた、行政経費は削減する一方で、奨学金や通学路をパトロールする人の拡充など、必要な部分には税金を投入することが必要であり、そのためには、地方の出先機関の実態を情報公開し、県や地方にできることは任せるべきだと表明。「地方分権の推進を含めて、最も必要なサービスは身近な行政体がやる」という方針で、問題を解決しなければならないとした。主旨には同感だと述べた小泉首相に対し、渡辺議員はさらに、「オール永田町」の精神で、税金の無駄遣いをなくすための取り組みを訴えて質問を終えた。
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