岡田克也代表は、10日午前、党本部で米国のシーファー駐日大使の表敬訪問を受け、外交問題について幅広く意見を交換した。
冒頭、岡田代表は、日本外交の基本である日米関係において、シーファー大使が「重要な役割を果たされることを期待している」と歓迎の挨拶を述べ、民主党についても、二大政党制の時代になり、政権準備・政権交代のためにたたかっていると紹介した。
安全保障問題、在日米軍基地問題、牛肉輸入問題などの両国間の問題について、互いに自由な意見交換をしながら、信頼関係に基づいて解決を図るべきであるとの岡田代表の考えに、シーファー大使は同意し、特に短期的な課題として、BSE(牛海綿状脳症)対策に基づく米国産牛肉の輸入問題を指摘した。
シーファー大使は、米国議会で早期の米国産牛肉の輸入再開を求める声が高まっているが、1980年代の貿易摩擦の再来は「誰も望まない」と述べ、科学的な解決が必要と認識していると語った。岡田代表は、これに対して、食の安全に強い関心を持っている日本の消費者が納得する解決策が必要であると改めて指摘。時間を要するかもしれないが、日本側の事情を理解するように求めた。
シーファー大使はまた、安全保障の問題について、相互の利益にかなう形での解決が必要との見解を示し、防衛施設(基地)問題については、世界的な米軍再編の中で、双方の負担を軽減し、日本の平和や地域の安全に役立つ能力は維持したいと考えて交渉を進めているとの説明が行われた。岡田代表は、沖縄に関して、「普天間(基地)の存続は不可能であると思う」と発言し、民主党としては沖縄以外への移転を求めており、話し合う必要があるとの見解を示した。
また、北朝鮮情勢をめぐって、岡田代表は、中国を含めた六カ国協議が重要との考えを表明。シーファー大使も、北朝鮮の問題が日米双方にとり脅威になること、東アジア地域全体にとっても、核保有は芳しくないと同意し、ブッシュ政権の北朝鮮との外交交渉経緯などを説明した。
会談ではこのほか、民主党の中東・スーダン訪問歴訪を受けて中東情勢に関する意見交換が行われた。また、シーファー大使に対して、鳩山由紀夫『次の内閣』ネクスト外務大臣より、イラクでの邦人拘束事件に関する情報提供の要請、前原誠司ネクスト防衛庁長官より、日米議員交流への支援の要請が行われた。
なお、会談には、藤井裕久代表代行、川端達夫幹事長、仙谷由人政策調査会長、江田五月参議院議員会長、藤田幸久国際局長も同席した。
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