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2006/04/06
【衆院本会議】政府の医療改革に疑問提示 園田・郡議員が質疑
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 6日午後の衆議院本会議で、仙谷衆院議員の質問に続き、園田康博衆院議員が質問に立ち、「健康保険法の一部を改正する法律案」、「良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案」について質問を行ったほか、民主党提出の「小児医療提供体制の確保等のために緊急に講ずべき施策の推進に関する法律案」についても、提出者であるわが党の郡和子衆院議員に質問を行った。

 園田議員はまず、「診療報酬制度、医療提供体制に関する制度、健康保険制度などの、医療に関する制度は、ことごとく制度披露が極限まで進行している」と指摘。その背景に、「制度創設時点で想定しなかった事態に対応できなくなった」ことを挙げるとともに、「加入者の年齢・所得構成の保険制度間の格差も広がっている」とした。そして、政府の医療制度改革の柱が、今取り組むべき医療提供体制について抜本的に改めることにあるとして、財政的観点から改革を進めるという点で従来と同様、「全く不十分な取り組みだと言わざるを得ない」と批判した。

 園田議員は更に、医療費の適正化の対象を医療給付費としたことについて、厚労相の見解を質しつつ、医療給付費抑制のため、患者の自己負担率引き上げの実施などの可能性があるのかについても質問した。そして、現在の医療体制が適正な状態にはないのではないかとして、「人口あたりの医師数や看護師数の少なさは群を抜いている」と具体的数字を挙げて指摘。「医療従事者の充足率を確認し、必要な医療人材の確保を通じた医療の質の確保向上を行うことを根拠として医療費のあり方を見るべき」だと力強く主張した。

 続いて園田議員は、医療関連法改正で組み込まれた負担増は、主に高齢者を直撃するとし、高齢者の生活の余裕はないとして、身体状況を悪化させてから受診をさせることになるなどの悪影響に懸念を示し、首相の見解を質した。また、民主党案についても園田議員は触れ、なぜ小児医療に絞った法案を提出したのかについて質問した。

 現在38万床ある療養型病床の削減についても問題視し、厚労相の見解を質した園田議員は、医師不足問題にも言及。人材の偏在が地域医療に影を落としていると指摘しつつ、「医療事故は、その原因をたどれば、医療人材の不足から生じる医療スタッフの過労、そして注意力の減退や非常時の判断ミスから、即ち現在の医療提供体制の構造的な原因から生じているとも考えられる」などと指摘し、人材の補充や実態改善の必要性を訴えた。

 園田議員は、政府案では努力義務とされている「詳細な医療費の内容が分かる明細書」についても、義務づけしない理由を厚労相に尋ねた上で、民主党は、「患者本位の立場で安心・納得・安全の医療提供体制を構築し、国民生活向上のために全力を尽くす」と強調して質問を締めくくった。

 政府案に関しては、小泉首相・川崎厚労相がそれぞれ答弁を行い、民主党案への質問には郡和子衆院議員が答弁に立った。郡議員は、民主党が「チルドレン・ファースト」などの視点から、子どもの安全や子育て支援を最優先課題として取り組んできたことをまず指摘。小児医療などの現場が抱える問題点を挙げつつ、政府の取り組みが手ぬるいと厳しい口調で述べた。

 そして、小児医療を取り巻く現状が、わが国の救急医療が抱える根本的な問題を最も顕著に示しているとし、「小児医療緊急推進法案」の提出の理由を説明。小児医療体制を国の責任において一般財源を集中投入して整備すること、小児の医療提供体制のシステム化を進めること、そのことにより勤務医の過重労働を軽減すること、小児科医を着実に確保すること、地域の実情に応じた、子どもにとって安心・安全な医療体制を確保することが、法案の基本的な考え方だと強調した。

 最後に郡議員は、救える命を救う環境を国として責任を持って構築すること、わが国の小児医療には特段の政治判断が必要だということを強調し、答弁を終えた。

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