民主党は7日午後、都内で両院議員総会を開き、新代表に小沢一郎前副代表を選出した。代表選挙には菅直人元代表と小沢前副代表の二人が立候補し、それぞれが代表選挙の有権者である党所属の国会議員の前に政見を発表、投票の結果、投票総数191票で小沢前副代表119票、菅元代表72票となり、小沢前副代表が当選した。任期は今年9月末まで。
小沢新代表は当選後の就任挨拶で、「皆さまの推挙で私のような者が新代表に就任させていただくことになった。身に余る光栄と思う。これからの民主党の、その再建と政権への道を考えたときに、その使命・責任の重大さを感じる。皆さんの力を合わせ、政権交代を実現させるため全身全霊で一生懸命頑張ってまいります」と述べた。
両院議員総会は、田名部匡省総会長の司会で始まり、松本龍中央代表選挙管理委員長が、公告から立候補の届出までを報告して始まり、党所属国会議員192人中、191人が出席して成立。二人の立候補者が届出順に、政見を演説、その後投開票、中央選管による当選者の報告、万雷の拍手による当選、新代表就任の承認と進められた。小沢新代表、菅元代表、前原誠司前代表が壇上で固く握手し、田名部総会長の音頭で団結頑張ろうを三唱し、総会を終えた。
代表以外の党の役員は月曜日(10日)の両院議員総会で承認される見込み。
政見発表では菅候補は「党は危機にある。ここで失敗すれば民主党はなくなる。老壮青、それぞれが能力、持ち味を活かせる体制をつくる必要がある。国会での質疑、全国を回る活動に加え、党をまとめ、選挙に勝つ体制づくりを小沢さんに担ってもらいたい。参議院の皆さんに大きな役割を担ってもらう。そのことを約束する」と代表就任時の党運営を訴えた。政策課題では、「権力の行使は不幸を少なくすること。弱い人を守るために使う。そうした最少不幸社会を築く。官僚主権を本当の国民主権に変える。弱肉強食に任せない。同一労働同一賃金を政策だけでなく運動を展開して大都市での党の巻き返しを図りたい」などと訴えた。
小沢候補は、「政権交代こそが日本の真の構造改革。2年半前の『民』『由』合併は二大政党制を確立することであった。このままでは二大政党制が崩れ、政権交代できない変則状況になる。党の最前線に立つ。党への国民の信頼を回復し、政権交代への狼煙を再び上げたい。身を捨てることが唯一の恩返しと思う。党再生の道は挙党一致。オールキャストで臨めば政権を獲れる」と、党の運営に関して訴えた。また、政策課題では共生を理念に「公正な国」を作ることを中心に「日本は共生の考え方として和の文化を築いてきた。日本は共生を訴え、尊敬を受ける資格が十分にある」とその目指す理念を訴えた。また、目指す社会像として「黙々と働く人、正直者が報われる社会」を具体的には「憲法の理念に基づく国連を中心にした安全保障。日米基軸だが、アジア重視の外交」、内政では「人づくりを何よりも重視する」こと、地方分権などを訴え、最後に「自己改革の努力を続ける。私自身も党も改革する。私自身も変わらなければならない」と訴えた。また、代表になった場合、9月に党員・サポーターを含めた代表選挙を行うことを明言した。
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