民主党、平和・改革、自由党の野党3会派は政府の財政構造改革法改正案に対する対案として、財政構造改革法停止法案を19日、衆議院に提出した。20日午後には衆院緊急経済対策特別委員会で3会派の法案に対する質疑が行われ、「政府案では経済状況に応じた機動的対応はできない、我々の案では機動的対応ができる、そこが最大の違い」(池田元久議員)と議論を展開した。
財革法停止法案は財革法を2年間停止し、停止期間中に現行法を(1)国・地方の公債発行額と借入金の総額を対GDP比3%以下とする(2)経済が著しく停滞した場合は目標達成期限を延長できるようにする――方針で抜本的に見直すという内容。
20日の衆院緊急経済対策特委では民主党の海江田万里、池田元久両議員、平和・改革の西川知雄議員、自由党の鈴木淑夫議員が答弁席に座った。「政府提案の特別減税に反対するのか」との自民党議員の質問には海江田議員が「特別減税を繰り返すことは、ありうべき税制の姿からは遠い。私たちは恒久減税を提案している」と答弁した。
質問に立った民主党の北脇保之議員は「審議過程で政府案の問題点が明らかになった」として、(1)恒久減税が実施できず、キャップ(歳出上限)制の下で公共事業を追加するためには毎年「抜け道」である補正予算に頼らざるをえなくなる(2)弾力条項を発動する「経済ショック」とは何かあいまい(3)一律削減であって財政構造改革の名に値しない――と指摘。「政府案で恒久減税はできるか」と質問し、池田議員が「目標達成年次を2年延長しても、政府案では多額の要調整額(歳出―歳入)が生じ、不可能」と答えた。
また、海江田議員は民主党の景気対策「平成ニューディール計画」として、「所得税3兆円減税、法人税率引き下げ、住宅ローン利子所得控除制度など総額6兆円の減税、子育て支援、シルバー手当支給などを提起している」と紹介。北脇議員は「橋本総理は『経済再建と財政再建は二者択一ではない』と言いながら現下の経済に対応できずにいる」として、野党案でなければ思い切った景気対策が実施できないことを強調した。
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