トップ > ニュース
ニュース
ニュース
2005/05/16
【衆院予算委】菅前代表、JR脱線事故対応や外交姿勢を厳しく追及
記事を印刷する



 仙谷政調会長に続いて質問に立った菅直人衆院議員(前代表、『次の内閣』ネクスト国土交通大臣)は、JR福知山線脱線事故に関して政府やJR西日本の対応について追及を行ったほか、小泉首相の外交姿勢についても厳しく問い質した。

 冒頭、菅議員は、脱線事故で亡くなられた方々に、「ご冥福をお祈りし、心からのお悔やみを申し上げる」と述べるとともに、負傷された方々にも、「1日も早いご回復を心より願う」とした。その上で菅議員は、この大きな事故を、「なぜ止められなかったのか、大きな観点から議論をしてみたい」と前置きした。

 菅議員は、国鉄民営化に伴って発足したJR西日本が、「民でできることは民に任せる」と言う「小泉総理流に言えば、優等生」だったのではないかとした上で、日本社会全体が、強い者はより強くなり弱い者は置いていかれる状況になっていることに対する「大きな警告」としてこの事故を受け止める見方を示し、首相の見解を質した。小泉首相は、「効率性を優先してきたから事故が起こったと、一面的にとらえるべきでない」などとした。

 菅議員は更に、宝塚・尼崎間でダイヤ改正が行われて停車駅が増えたにも関わらず、停車時間や駅間の運転時間を短縮してきたことを指摘。「これだけ厳しいダイヤを組んで、本当に安全第一で考えていたのか」と質した。北側国交相は、「首都圏においても関西圏においてもこれ以上の過密ダイヤはある」とし、「制限速度を守るのは当然の話だ」などとした。

 更に、JR西日本の懲罰的な日勤教育について、かつて国会での質疑の中で改善に向けた要請がなされていることを菅議員は指摘し、国交省の見解を質した。国交省鉄道局長は、「裁判になったので、裁判の推移を見ていた」などと、全く対応していなかった事実を認めた。一方で北側国交相は、「昨年9月に、JR関係者より懲罰的な日勤教育は問題ではないかとの指摘があった」ことを明らかにし、国交省として指導を行っていたことも明らかにした。

 菅議員はこのほかに、新型ATS未設置の問題なども取り上げた上で、「何でも競争・効率、という方向に小泉首相はアクセルを踏んでいる」が、「ある意味の見直しをしなければ、何のための効率や競争なのか」ということになると指摘。今日の質疑での指摘について、「しっかり取り組んでいただきたい」と要請した。

 続いて菅議員は、小泉首相の外交姿勢を取り上げ、「小泉外交は四面楚歌の状況にある」とし、「バンドン会議で、改めて村山談話をなぞらえるような謝罪をわざわざもう一度した」ことなどを取り上げ、「もともと、村山談話に沿った行動をとっていればいい」にも関わらず、小泉首相の「行動が悪影響を及ぼしている」と厳しく迫った。首相は、「行き詰まりなどとは全然思っていない、日本外交は順調に進んでいる」などと開き直った。

 またローマ法王逝去の際、その葬儀に川口補佐官しか派遣しなかった点について、識者から「最悪の選択」だと問題視する声が上がっていることを取り上げた菅議員は、小泉首相の認識を質したが、首相は「適切だったと思っている」などとした。菅議員はこれに対して、「総理が適切だと思っていることが適切でないから、外交的に孤立している」と厳しく指摘した上で、首相を「裸の王様だ」と強く批判して質問を終えた。

記事を印刷する
▲このページのトップへ
Copyright(C)2024 The Democratic Party of Japan. All Rights reserved.