民主党の横路孝弘・総務会長は21日、衆議院本会議で橋本総理のバーミンガム・サミット報告に対して代表質問し、総理の経済無策、構想力のなさを批判。「残念ながらあなたには、日本の代表として外国に出かける資格はない」と断じた。
横路議員は、サミットで日本の経済対策が歓迎されたとの報告に対して「国際会議の度に『消費税を上げても景気にさしたる影響はない』とか『不良債権問題はメドがついた』など約束し、常に期待を裏切られてきた各国の冷ややかな反応に気づかないのか」として、「単発的な景気対策を超えた系統的、中長期的展望に立つ本格的な政策展開が不可欠になっている」「総理はサミット後、記者団に『これから本気で取り組まなければ』と述べたが、バブル崩壊からいったい何年たっているのか、『これから』とは何事か」と批判した。
また、アジア経済危機について「サミットではIMF主導の経済改革が必要との論議に終始したようだが、韓国の失業率増大、インドネシア暴動の発端となった公共料金値上げなど、アジアの現実をふまえ、IMFプログラムの見直しが必要」と主張。「雇用と社会的一体性、連帯感」がブレア首相の提起により初めてサミットで取り上げられたことから、「橋本総理の改革の一番大きな問題は、改革を進めた結果どんな社会になるのかという構想がまったくないこと。グローバルスタンダード、雇用の流動性と言っているうちに日本やアジアの伝統的地域社会が崩壊し、社会の一体性、人々の連帯感はどうなるのか」と痛烈に批判した。
橋本総理は「経済政策は私自身が予期していなかったほど歓迎された」など、危機意識のない答弁に終始した。また、ロシアのエリツィン大統領との会談内容について横路議員が「秘密の約束ができるわけではない」と公開を迫ったのに対して、「ロシア側との申し合わせもあり明らかにできない」と拒んだ。
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