鳩山邦夫副代表は22日の衆議院本会議で、民主党、平和・改革、自由党の野党3会派提出の財政構造改革法停止法案に賛成し、政府提出の財革法改正案など5法案のうち、貸し渋り対策の中小企業信用保険法改正案を除く4法案に反対する討論を行った。政府案が可決され、参院に送られた。
鳩山副代表は「かつて橋本総理と同じ政党、派閥に属していたが、先輩が総理の座に着いてまったく無責任な経済運営をするとは夢にも思わなかった。政官業癒着構造の守護者でしかなかったのかと悲しい気持ち」と切り出した。総理が昨年春以降、「景気は回復している」と官僚の作文を繰り返し、景気悪化によって半年足らずで財革法改正を余儀なくされたことについて、「政策転換を君子豹変と言う人がいるが、豹に対して失礼。もともとは豹の模様のように悪から善にはっきり変わるという意味であり、総理は単に朝令暮改」と批判。「今までの経済運営を国民に詫び、『橋龍不況』に終止符を打つべき」と辞任を迫った。
鳩山副代表は「政府の財革法改正案は財政健全化目標を2003年度から2005年度に延長するというが、目標達成の具体的根拠はついに聞くことができなかった」と国会での議論を総括し、「政府案では恒久減税も不可能。不況継続旧来型財政構造温存法だ」として、「野党案は問題だらけの財革法を2年間凍結し、その間景気対策に全力をあげることができるとともに、現行法を抜本改革するもの。経済活性化と財政政策への信頼を回復する唯一の道だ」と強調した。
最後に鳩山副代表は「市場はすでに総理に不信任案を突きつけ、可決している」として、晋の陶淵明が宮仕えを辞め、故郷に帰った時の心境を述べた「帰去来(かえりなんいざ)」の辞を進呈し、政治家としての決断を促した。
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