7日午前、参院本会議において、衆院より送付された政府提出の「中小企業ものづくり基盤技術の高度化に関する法律案」の趣旨説明に対して、津田弥太郎参院議員が民主党・新緑風会を代表して質問を行った。
津田議員は冒頭、会派を代表するとともに、機械・金属産業の中小企業でものづくりに携わる労働者の立場に立って質問を行うと宣言した。そして、わが国の製造業の車の両輪は優れた先端技術と基盤技術であるとし、そのために自らの出身母体もかかわった議員立法である「ものづくり基本法」が果した役割の評価を求め、そのことを前提にしつつ、本法案の質問に入った。
津田議員は、本法案の基本となる「基盤技術高度化指針」を策定するにあたっては、現場の声に真剣に耳を傾けるべきであると述べ、二階経済産業大臣の見解を質した。経済産業大臣は、現場の声を聞いたうえで、有識者にも意見を求めると答弁した。
津田議員は、本法案による「高度化支援事業」の成果が大企業に帰属するとの懸念を示し、また「中小企業技術革新制度」の拡充、「中小企業技術移転制度」の創設、「技術移転機関」の普及などの支援策の充実を訴えた。経済産業大臣は中小企業に配慮すると述べるとともに支援策の充実に積極的な姿勢を示し、小坂文部科学大臣は技術移転機関の一層の普及をすすめると答弁した。
津田議員は、技能労働者の人材育成の問題を取り上げ、中小企業の技能労働が3Kと言われる風潮には政府に責任の一端があるとして反省を促すとともに、文部科学大臣および川崎厚生労働大臣の答弁を求めた。文部科学大臣はキャリア教育の充実に積極的に取り組むと答弁し、厚生労働大臣はハローワークで総合的な就職支援を行うと述べた。
津田議員は、技能尊重の気運を醸成し、ものづくり労働に誇りと生きがいを持てるようするため、学士院や芸術院と並ぶ「技能院」の創設を訴えた。経済産業大臣は、この提言を考慮しながら対応していくと答弁した。
津田議員は、中小製造業の知的財産権の保護の強化、不合理な取引慣行の見直し、生産技術のデータベース化などについて質問し、前向きな答弁を得た。また津田議員は、事業者間の出会い促進の事業には既存の公益団体以外でも参入できるという答弁を得た。
津田議員は、中小企業に対する融資が縮小している現状を取り上げ、保証協会の保証付き融資の利率が高いなどの不正常な状態の是正を迫り、経済産業大臣から様々な方策を活用して対応するとの答弁を得た。
津田議員は最後に、民主党が代表選挙によって新代表を選出し反転攻勢に出るまさにその日に、自らの議員活動の原点である「ものづくり」について代表質問の機会を得たことを感謝するとともに、中小企業を全力で支援する決意を述べて質問を締めくくった。
|