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2005/08/01
【参院郵政特】峰崎・山根・藤本・藤末各議員、郵政法案の問題点指摘
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参議院の郵政民営化に関する特別委員会で1日、民主党・新緑風会の峰崎直樹・山根隆治・藤本祐司・藤末健三の各議員が質問に立ち、それぞれの視点から郵政民営化法案の問題点を鋭く追及した。

 峰崎直樹参院議員は、日本郵政公社から示された資料をもとに、「保険業界で一番重要になってくるのは3利源といわれる利益の源だ」と指摘したうえで、平成15年に利差損益で2兆100億円の赤字を計上し、結果的に逆ザヤになっている状況を明示。これだけの金額の逆ザヤの発生は民営化後も影響を及ぼし続けるのではないかとの危惧を示し、日本郵政公社の生田総裁に認識を質した。生田総裁は、「利差損については今後も残念ながら継続する」と述べた。峰崎議員は平成16年、17年ともキャピタルゲインで利益をかせぎ、運営にあてており、簡保の経営は株価に依存しているため株価に大きく左右される実態を指摘した。

 「貯蓄型であるため低金利時代は経営は苦しくなる。保険金支払いに支障をきたした場合に備え責任準備金がある」といった生田総裁の答弁も踏まえて峰崎議員は、責任準備金の問題に言及。簡保の場合は民間保険にはない追加責任準備金9兆円が存在する現状を指摘した上で、民間へ移行する際、旧契約に属するか・新契約に属するかを質問した。竹中担当相は「旧勘定に属する」と述べ、同時に旧契約と新契約が並存することになることを明らかにした。峰崎議員は無税で積み立ててきた追加責任準備金が新会社の利益や経費に付け替えられることになった場合、他の民間会社とのイコールフッテイングの視点において法的に担保されているかはなはだ疑問である郵政民営化法案の実態を問題視した。

 続いて質問に立った山根隆治参院議員は、郵政民営化法案成立をめざす小泉内閣の背後には、米国の強い影響力があるとされる問題を取り上げ、「日本とアメリカとの関係はきわめていびつ」との見方を示したうえで、米国依存体質を修正し、米国の影響力を払拭し、本当の意味での同盟関係の立場をとるよう、町村外相・細田官房長官に強く求めた。

 山根議員はまた、民営化後の姿が見えないために、現在の郵便局職員等の不安を一層増幅される状況となっている点を指摘。同時に竹中郵政担当相が職員との意見交換、現場視察等の機会が著しく少ない点を批判。「多数の政省令に委ねるのでなく、法案内容を明確にするようすべき」と述べるとともに、視察や意見交換を行い、現場職員の実態把握につとめるよう釘をさした。 

 続いて質問に立った藤本祐司参院議員は、民営化の際の採算性試算、骨格経営試算のデータについて質問、計算根拠が合理的でないことを指摘、国際物流に関しての竹中担当相の答弁が不十分なため、この部分の質問は留保となった。

 この部分は、新規事業として国際物流に参入し、売り上げ4000億円、利益率5%と試算されている問題で、売り上げの根拠が国際物流の海外大手を参考し、利益率は国内大手を参考にしているというもの。藤本議員の試算根拠と、違うものを参考して試算するのは矛盾している、現実的でないとの質問に対して、竹中担当相が現実的とした上で「私どもに知恵をつけていただきたい」と、試算の根拠が薄弱なことを認めたもの。藤本議員は納得せず、バックデータを含めた資料の提出を求めた。

 藤本議員は他に、人件費の算出根拠を明確にすること、職員の配置、労働条件の確定に関して労働法が適用されるよう監視するよう求めた。尾辻厚労相は、「労組法168条、169条しっかり守ってもらうべき」と答えた。

 次に質問に立った藤末健三議員は、まず、7月21日の質疑で、試算について国民に自信を持って説明できるかとの大久保議員の質問に、竹中担当相が「イエス」と答えていることを指摘。その上で試算の根拠に関して、新規事業のうちのコンビニ事業ついて追及した。竹中担当相は「利益は大手コンビニを参考し、240億円」と答えたが、藤末議員がセブン・イレブンは約1万店舗、郵便局は1300局であること、しかも売り場面積も、担当人員数も明らかにでないなかで、どうして利益だけが計算できるのかを厳しく追及した。竹中担当相は何ら具体的には答えず、セブン・イレブンと他の中間を想定したとのみ答えた。

 また藤末議員は、35兆円の信用リスク事業が展開できる根拠を質した。これに対しても、竹中担当相は10年間でGDPが1.5倍になること、資金需要がそれに伴って拡大することを挙げるだけで、具体的には答えず、単なる見通しに過ぎないことが明らかになった。特に1.5倍にGDPが成長する際に物価上昇率を年2%と見込んでいることを藤末議員は問題とし、その根拠を明らかにするよう求めた。これにも答えらないため、藤末議員は「試算はほとんどいい加減」と厳しく批判して質問を終えた。

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