鳩山由紀夫幹事長は6日午後、今年初めてとなる定例記者会見を開いた。この中で鳩山幹事長は、2006年に臨む抱負を語ったほか、イスラエルのシャロン首相の病状、通常国会への対応、雪害対策本部の設置、アジア外交に関する小泉首相発言などについてコメントした。
鳩山幹事長はまず、「新しい年を迎えて、民主党としても、再生を誓う大きな年であると認識している」と表明。「現在の小泉政治というものが、必ずしも多くの国民の皆さんに幸せを与えていない」と指摘し、党として原点に立ち戻って、「国民の皆さまから、政権を十分担える力を備えたと言っていただける」1年にしたいとの決意を力強く述べた。
また、前原代表が昨日の仕事始めの挨拶で、「今年の前半でわが党のバラバラ感を払拭させる」と「強い信念を述べた」ことに関しても、幹事長として、「その環境づくりに向けて奔走してまいりたい」と述べた。
また、イスラエルのシャロン首相の病状が深刻だと伝えられていることについて鳩山幹事長は、中東和平に向けて「曙光がさしかかってきた状況」に悪い影響が出ないか懸念を表明しつつ、シャロン首相の回復を祈り、心からお見舞いを申し上げる、と述べた。
鳩山幹事長は更に、小泉首相が年頭の記者会見で、靖国神社参拝問題に関して中国・韓国を批判したことについても触れ、「一個人の情緒的な思いによって国益が損なわれてしまうのは、本来あってはならない」と指摘し、「強い憤りを禁じ得ない」と厳しく批判。また、こうしたアジア外交に関する強硬路線が、次期首相にも引き継がれることのないよう、厳しく釘を刺した。
今月に始まる通常国会への対応については、雪害対策の問題、耐震強度偽装問題、アスベスト問題、BSE問題など喫緊の課題について、補正予算も含めて「まずは集中的に審議を行うべきだ」と指摘。政府の大増税路線に民主党は厳しく対峙し、「行革なくして増税なしの方向性を貫いていく」とともに、「徹底的な行政のムダづかい追放」のために議論を展開していくとの決意を改めて示した。同時に鳩山幹事長は、小泉首相の冷たい改革に対して、「弱者に配慮した政治を行うべき」だとも指摘し、議員年金の廃止問題についても、予算審議の前に行うべき、と述べた。
鳩山幹事長は、来年に統一地方選と参院選があることについて、特に参院選は、民主党にとって大変大きな意味を持つと指摘。与党の暴走を食い止めることができる大きな機会であるとともに、政権交代の実現に向けた重要な選挙であることを改めて強調し、参院選に向けての候補者選定の公認基準の策定や、衆議院の第三次の公認予定候補の選定を、着実に進める意向を示した。
最後に鳩山幹事長は、雪害問題について改めて触れ、山岡賢次副代表を本部長とする、「民主党雪害対策本部」の設置を明らかにし、亡くなられる方が多く出ている現状を踏まえ、党としてもこの問題に迅速に対応していく意向を表明した。
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