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2006/04/18
【衆院行革特】見直し主体・期限明記した民主党行革推進法案質疑
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 衆議院行政改革特別委員会で18日、民主党提出の「行政改革推進法案」が政府提出の行政改革推進法案など関連5法案と合わせて質疑され、民主党・無所属クラブの馬淵澄夫議員が民主党案提出者として提案理由説明を行うとともに、民主党の第一番目の質疑者としては市村浩一郎議員が立った。なお、民主党案提出者の渡辺周『次の内閣』ネクスト総務大臣(政治改革担当)はじめ、枝野幸男党憲法調査会長、党行政改革プロジェクト・チームの武正公一、大串博志両議員らが答弁席に並び、民主党案に対する質問に答えた。
 
 馬淵議員は「多少景気が改善しても、以前のように全員がその恩恵を受けられる構造では無くなっており、これが『格差の拡大』に繋がっている。しかし、明治時代に形成した骨格をそのまま維持している現在の政府は、この変化した社会構造、経済構造に対応できていない」と指摘。求められている行政改革とは、政府の役割、機能を見直し、国民の不安、直面する痛みに的確に対応できる政府を創るための行政改革でなくてはならないと表明。政府案にはそのような理念、あるべき政府像、政府の担うべき機能と言った観点は欠落し、ただひたすらに「小さな政府」を目指すものであると指摘した。あわせて、官製談合や天下りに関する規定が政府案には欠落していることを問題視した馬淵議員は、「これでは現在の社会経済に合った政府は作れない、国民が信頼できる政府は作れないと考え、本法案(民主党案)を提出するに至った」と語った。

 民主党案の概要説明として、馬淵議員は2つのポイントを提示。第一には現在政府が行っている事務事業に関して、聖域無く見直し、不要な事業、民間にできる事業は廃止した上で、「補完性の原則」に基づいた事務事業の地方移譲を進めることで、国と地方の役割分担を明確化していくと説明した。この点に関しては政府案にも「事務事業の分類、整理」とあるが、いつまでに、誰が行うのか全く不明であり、「プログラム法」とはとても呼べない代物である点を馬淵議員は指摘。民主党案では見直しを行う主体、期限とも明確に規定していると重ねて説明し、「これこそが本来の『プログラム法』である」と主張した。

 馬淵議員はまた、ポイントの第二として、天下りの抑制、官製談合の根絶に向けた厳しい措置を盛り込んでいることを明らかにし、「談合の徹底的な根絶、そのための天下りに対する厳しい抑制を通じて『信頼できる政府』を本法案は目指すものである」とした。

 また、政府提案に対する民主党の考え方も盛り込んでいるとも馬淵議員は表明。借り手の立場からの政策金融改革の推進、債務保証・利子補給に絞った政策金融の在り方等の提案、「省庁の財布となっている特別会計」は原則廃止の立場からの特別会計改革の方向性の明示、地方分権推進の結果として縮小される国の規模、機能に応じた公務員の人件費削減の規定、労働基本権の原則回復などの公務員制度の抜本改革の提案等の必要性を列挙した。

 最後に馬淵議員は、「『格差はあるのは当然』とするリーダーの理念に基づく『弱肉強食』の社会を目指すものである政府案に対し、民主案は「共生」の理念に基づき「新しい政府」を創ろうとするものである」と改めて述べ、趣旨説明を終えた。
 
 質問に立った市村議員は、公益法人改革に関して、非営利法人という概念には社会福祉法人や特定非営利活動法人等、さまざまな形態のものがあるにもかかわらず、政府が今回は財団と社団に限定したのはなぜかという観点で民法33条2項に関して質問した。

 河野法務副大臣は「委員の修正案は、非営利事業または営利事業を営むことを目的とする法人として、AとAでないものとして全体を分類している。それに対してわれわれの提出している33条第二項はABおよびその他と例示している」などと説明。そういう意味で公益を目的とする法人、株式会社に代表される営利事業を目的とする法人、その他の法人という代表的なものを例示している方が国民にとってわかりやすいとの考えを示した。

 市村議員は「(民法ができあがった)明治29年と今の時代状況は違う」との認識を示し、現代の時代状況を考慮した平成18年にふさわしい議論がなされるべきだと主張した。「非営利」「NPO」という言葉が市民権を得た現状認識を踏まえれば、明治29年来の大改正を行うに当たっては「非営利」という言葉を33条2項に盛り込むのが妥当だと重ねて訴えた。

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