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2006/04/19
【参院本会議】和田議員、実効ある男女平等雇用実現へ均等法質す
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 参議院本会議が19日、政府提出の「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案」を議題に開かれ、民主党・新緑風会の和田洋子議員が代表質問を行った。

 第一として和田議員は、本法案の基本理念を質問。今改正で均等法は男女の性別を理由とする差別を禁止する法律に変わる点について大変評価できるとの認識を示したうえで、これを契機に、一歩進んで男性の長時間労働を見直す必要はないか問題提起した。

 そうした視点の裏づけとして和田議員は、厚生労働省が掲げる男性の育児休業取得率目標は10%であるが、9割以上の男性は忙しすぎて育児や家事に参加できるような状況にはなく、平成16年度取得率は0.56%にすぎないと指摘。「男は仕事、女は家庭」というのは男性に対する差別ともいえると指摘し、男性の家事・育児参加は、女性が働き続けられることに繋がっていくとの認識を示した。同時に仕事と生活の両立は少子化対策の糸口ともなるとした和田議員は、本法案改正を機に男性の働きすぎをも見直すため、法の基本理念に「仕事と生活の調和」を入れるべきだとした。川崎厚労相は「重要な課題」としたが、労働関係の法令全体を通じて実現が図られていくものだとの認識を示したが、今回の改正案には切り口が異なるとの観点から均等法に明記するのは適当でないとした。

 第二としては、間接差別について質問。04年6月に出された「男女雇用機会均等政策研究会報告」に間接差別の例として〔1〕募集・採用に当たっての身長・体重・体力要件〔2〕総合職募集・採用の全国転勤要件〔3〕募集・採用の学歴・学部要件〔4〕昇進の転勤経験要件〔5〕福利厚生や家族手当等の住民票上の世帯主要件〔6〕処遇の決定に当たって正社員を有利に扱うこと〔7〕福利厚生や家族手当等の支給にパートタイム労働者を除外する――7項目があげられていることに和田議員は言及し、改正法案では〔1〕〔2〕〔4〕だけが省令で列挙されているが、これだけでは十分だと指摘。報告の中で示されている「正社員とパートタイム労働者の間で職務の内容や人材活用の仕組みや運用などが実質的に異なることは間接差別にあたる、総合職と一般職との間の処遇の違いについても同様」とする項目が採用されれば、働く女性たちが働きやすくなるとした。さらには、この7項目はもとより、間接差別禁止を省令で限定列挙するのではなく、働く女性達の実態にあった様々な不利益取扱に対応できるものにすべきと、厚生労働大臣に注文をつけた。

 第三としては、女性は事務職、男は総合職管理職コースといわれているいわゆるコース別人事、雇用管理区分について質問。これがあるために総合職の女性は平成16年度で5・1%にすぎない実態を浮き彫りにし、指針の『募集・採用ならびに配置、昇進及び教育訓練』の雇用管理区分を廃止しなければ雇用形態差別をなくすことはもちろん、是正すらできないと厚労相に対して強く指摘した。
 
 質問の第四としては、「日本の男女賃金格差は著しく、女性労働者は男性の65・9%、女性パート労働者の賃金は男性の46・3%にしか過ぎない」と具体的数値を提示し、均等法に「男女同一価値労働同一報酬原則」を入れるよう、厚労相に求めた。また、第五として、女性労働者が働き続けるには、企業にポジティブ・アクション(雇用の場における事実上の格差を解消するための積極的な取組)作成を義務づけることが必要性だとした。
 
 和田議員は最後に、国際労働機関・CEDAWからその勧告・条約の早期実施・批准を求められているような状態は一日も早く解消すべだと訴えて、質問を締めくくった。

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