第一 継続開示義務違反に係る課徴金制度の創設
一 継続開示義務違反に係る課徴金
有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金
発行者が、重要な事項につき虚偽の記載がある有価証券報告書等を提出したときは、内閣総理大臣は、当該発行者に対し、(1)に掲げる額((2)に掲げる額が(1)に掲げる額を超えるときは、(2)に掲げる額)に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならないものとすること。
(1) 300万円
(2) 株式の市場価額の総額等に10万分の3を乗じて得た額
(第172条の2第1項関係)
半期・臨時報告書等の虚偽記載に係る課徴金
発行者が、重要な事項につき虚偽の記載がある半期・臨時報告書等を提出したときは、内閣総理大臣は、当該発行者に対し、1の額の2分の1に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならないものとすること。
(第172条の2第2項関係)
同一の記載対象事業年度に係る2以上の継続開示書類に関する調整
同一の記載対象事業年度に係る2以上の継続開示書類の提出について課徴金の納付を命ずる場合における課徴金の額の調整に関する規定を設けるものとすること。
(第185条の7第2項及び第3項関係)
二 罰金との調整
課徴金を課すべき虚偽記載のある継続開示書類の提出と同一事件について、罰金の確定裁判があるときは、課徴金の額から当該罰金の額を控除した額を課徴金の額とすることとし、所要の規定の整備を行うこととすること。
(第185条の7第4項、第185条の8第1項、第2項、6項関係)
第二 経過措置等に関する規定の追加
一 課徴金に関する経過措置
施行日から起算して1年を経過する日までの間に有価証券報告書等又は半期・臨時報告書等を提出した者が次のいずれにも該当する場合は、第一の一の1の課徴金の額について(1)を「300万円」から「200万円」に、(2)を「10万分の3」から「10万分の2」にそれぞれ軽減するものとすること。
継続開示義務違反について、課徴金の納付の決定を受けたことがなく、かつ、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者でないこと。
継続開示義務違反についての検査等が最初に行われた日の前日までに、当該虚偽の記載に係る訂正報告書を提出していること。
継続開示義務違反の再発を防止するため必要な措置を講じていること。
(附則第5条第2項関係)
二 検討
政府は、おおむね2年を目途として、この法律による改正後の課徴金に係る制度の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、課徴金の額の算定方法、その水準及び違反行為の監視のための方策を含め、課徴金に係る制度の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。
(附則第6条第1項関係)
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