参議院行政改革特別委員会で26日、総括質疑が行われ、民主党・新緑風会の松井孝治議員は、政府案に天下り規制を取り入れ、官製談合を防止し、税金のムダづかいを解消するよう強く求めた。
松井議員は質問の冒頭、「国民生活の安全を守る役割をしっかり果たせない政府には、行政改革を語る資格はない」と指摘し、「行政改革」は良い問題設定であるにもかかわらず、政府案の中身は看板倒れではないかと疑念を示した。
松井議員はまず、小泉改革の目玉と言われた「三位一体の改革」に言及。補助金を4兆円削減しても、中央の行政組織の定員は2年間で47人しか減っていないことを確認し、「補助率を削減しても補助金の査定事務は変わらない。金は惜しむけど口は出す。現実の各論の世界で行政改革は進んでいない」となどと厳しく指摘。公の事業を、地域や民間、NPOなどへ委ねる発想が必要との見解を示した。
松井議員は続いて中央省庁等改革基本法第47条を取り上げた。条文に、国の行政機関の職員の定員について「10年間で少なくとも10分の1の削減を行うための新たな計画を策定する」と規定され、その後、削減計画が閣議決定されていることを紹介した上で、これらの規定が骨抜きになったために、今回の行政改革推進法案で、「国家公務員などの総数の純減」が定義し直されたのではないかと追及した。
公益法人改革については、公益法人が、無競争での事業発注の見返りに大量の天下りを受け入れ、公益法人から民間企業に仕事の丸投げが行われている実態をパネルで示し、公益法人を「官物化」しているとの見解を示した。
松井議員は、閣議決定された「公益法人指導監督基準」で、公益法人の理事に所管する官庁の出身者が占める割合は「理事現在数の3分の1以下とする」と記載されていると指摘。閣議決定違反の可能性を質し、小泉首相は「閣議決定は遵守しなければならない。改善すべきだと思う」などと答弁した。
松井議員はすり抜けが行われないように基準を見直す考えがあるか質し、竹中大臣は「国民から見て不透明な点があるという指摘については、色々な面から検討する」と答弁。首相は「いい指摘だから、すり抜けないようにきちんと(閣議決定を)見直す」と言明した。
松井議員はこのほか、公務員の早期勧奨退職制度や国有財産売却の問題について質問。天下り規制と官製談合の防止について、民主党の対案にまとめられていると紹介し、議論を深めるように求めた。
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