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2006/04/28
【衆院本会議】耐震偽装の再発防止へ建築基準法等改正案を提案
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 28日午後、衆院本会議において、耐震偽装の再発を防止するための建築基準法等改正案が政府より提案され、民主党はこれに対して対案を提案し、両者に対する質疑が行われた。

 政府案は、建築確認・検査の厳格化、指定確認検査機関への指導監督の強化、建築士への罰則の強化、処分を受けた建築士の氏名公表、売主の保険加入について説明の義務付けを盛り込んでいる。

 民主党案は、「居住者・利用者等の立場に立った建築物の安全性の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案」という名称で、長妻昭衆院議員(『次の内閣』ネクスト国土交通大臣)が提案理由説明を行った。長妻議員は、民主党案は居住者・利用者・購入者の立場に立って、安全な建物を支えるため、政府案にない三本の太い柱を用意したと述べた。その第一は、設計と施工を分離することによって、建築士が建設会社等の無理なコストダウン要請に屈することのないよう、建築士の会を強制加入の自治組織とするとともに、建築士事務所の開設者を建築士に限定すること。第二は、建築物の売主が瑕疵担保保険に加入しているかどうかを表示することを義務付けること。第三は、民間の建築確認検査機関の検査であっても検査証は自治体が発行すること、である。長妻議員は、政府案と民主党案は提供者側に立つか生活者側に立つかの立ち位置が180度異なることを強調した。

 その後、民主党を代表して馬淵澄夫衆院議員(政策調査会副会長)が両案に対して質問を行い、まず耐震偽装問題は小泉構造改革の「影」の部分であるとし、この問題を単なる「事件」として終わらせてはならないと述べた。馬淵議員は、この問題に取り組む政府の姿勢と責任を厳しく質し、これに対して北側国土交通大臣は本来行うべきでない偽装が行われたとして、一義的な責任は建築者側にあるとし、「事件」であるとの認識をにじませた。

 馬淵議員は、現在の確認制度では偽装を見抜くことが出来ない場合があること、そして責任会回避の構造を改めない限りは問題の抜本的な解決にならないことを指摘した。国土交通大臣は、偽装は多岐に渡るとしつつ、今回の政府案で対応していくとの答弁を行った。

 馬淵議員は、設計と施工の分離の必要性、日本における住宅価値が低いという問題を指摘したが、国土交通大臣は設計と施工の一貫にはそれなりのメリットがあり、住宅価値は性能評価制度等で評価していると答弁した。また、馬淵議員は政官業の癒着について質したが、国土交通大臣はそのことは行政の判断に一切影響を与えていないと断言した。

 馬淵議員は、民主党案について、政府案との相違点を質問した。これに対して、まず下条みつ衆院議員が答弁し、耐震偽装の実情のひどさを訴えつつ、表示義務を課することによって瑕疵担保保険への加入を促す民主党案は、全面加入の場合のモラルハザードや再保険組織の必要性もないと答弁した。次に、小宮山泰子衆院議員は、民間検査機関が行う建築確認についても自治体が責任を負うとの判例を引きつつ、その場合の建築確認証などを自治体が発行することとする必要性について答弁した。森本哲生衆院議員は、建築士の地位の独立性向上によって、耐震偽装問題が防止できることについて答弁した。

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