17日午後の衆議院国土交通委員会で、長妻昭衆院議員に続いて、馬淵澄夫衆院議員が、小嶋進証人に対する尋問を行った。
馬淵議員は冒頭、耐震強度偽装問題に関して、「(自民党の伊藤公介議員以外の)政治家に相談やお願いをされたことはないか」と質問。小嶋証人は、国会議員としては、自民党の伊藤信太郎衆院議員、阿南一成前参院議員の名を挙げた。
馬淵議員は続いて、問題発覚後の11月20日、グランドステージ川崎大師の住民の要望を受けて行われた説明会で、小嶋証人が「議員にお願いをしている」と石原慎太郎都知事や安倍晋三官房長官の名前を出したのは事実かと質問。小嶋証人は「名前を申し上げたかどうか記憶は定かではない」と否定したが、馬淵議員は、当日の発言がテープに録音されていると指摘し、聞き起こした文書を示して確認を取った。小嶋証人は追及に対してようやく、安倍官房長官の政策秘書に議員会館で相談したことがあると認めた。
馬淵議員はまた、説明会開催の2日前の会見で、安倍官房長官が「国交省で遺漏無いように対応させる」などと発言していると紹介。住民説明会の記録からも、小嶋証人の働きかけとの関係がうかがわれるとの見方を示した。さらに、50億円の公的貸付の実施について、国交省の天下り団体となっている社団法人の理事長を通じて、国交省の審議官に、小嶋証人から働きかけが行われた疑惑があると馬淵議員は指摘した。これに対して小嶋証人は、11月15日時点では公的支援はお願いしていなかったが、時間とともに、公的貸付を受ける方向に考え方が変わったなどと答弁。馬淵議員は、マンション住民への説明内容を再度引用し、公的貸付などについて働きかけをしたのは事実かと回答を求め、小嶋証人は「全ては私が借り受けて、一時も早く対応したいと考えて、ある程度、相談できるところにご相談申し上げた」などとした。
馬淵議員は「全くお答えいただいていないという現実が残った。これで疑惑が解明したことには、全くならない」と厳しく批判し、引き続きの審議を強く求めて質問を終えた。
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