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2006/01/20
「安全国会」と位置づけ、衆参一致した行動を両院議員総会で確認
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第164通常国会召集日の20日、民主党両院総会が党本部で開催された。田名部匡省両院議員総会長の開会に続き、挨拶に立った前原誠司代表は「いよいよ国会がスタートする」と宣言。今国会を「安全国会」と位置づけ、子ども・建物・食べ物・乗り物の4つの安全をしっかりと担保していくため国会論戦に臨むことを改めて表明した。

 「今の政治に対する国民の不安、あるいは社会そのものの安全に対する不安の解消に向けて、(300議席を超える与党の)巨大なイエスマンに対して闘っていく、国民の代弁者だという気持ちでいる」と語った。

 耐震強度偽装事件に関する真相究明に向けた国会対策委員会と国土交通委員会の閉会中の取り組みに謝意を示すとともに、小嶋社長の証人喚問における追及を通して、安倍官房長官はじめ自民党議員の名前が出てくるなど新たな疑惑を浮き彫りにできたことに言及。「安全がどこで失われてきたのかについて、さらに追及していく」とした。

 ライブドアの問題に関しては「捜査状況を注視しなければならないが、証券取引法違反であったことは確か」とする見方を示し、同時に昨年の総選挙で「ホリエモン」は「刺客」「マドンナ」と並んで与党勝利の原動力となったと分析。「准公認扱いをした『ホリエモン』が大きな問題を起したからには、道義的責任は絶対に免れない」と指摘。あわせて「今の自民党の議席そのものが粉飾であったのではないか」と厳しく批判した。

 その上で前原代表は「この国会を契機に反転攻勢に打って出て、ぜひとも我々の存在感を国民の目線に立って示す国会にしていきたい」と語り、衆参両院の一致団結した行動を求め、出席議員から拍手で迎えられた。

 続いて鳩山由紀夫幹事長が報告に立ち、「国会は(今日まで)閉会していたが政治に休みはない」として、閉会中に多数与党によってイラク自衛隊の派遣延長、米国産牛肉の輸入再会が強行されてしまったことを指摘。一方で記録的な豪雪による災害、羽越線の脱線事故、耐震強度偽装事件、ライブドアの事件など、国民生活を脅かす問題が多発している点に言及し、「安全というものが日本の国土から失われてしまった」との見方を示した。

 映画『三丁目の夕日』を例に鳩山代表は、「そこには少しずつでも(国民の多くが)報われる社会があった」として、現代社会で大きく欠落してしまった安全・安心を取り返す国会にしていきたい、それが民主党の役割でもあるとの強い思いを表明した。

 また、昨年の総選挙総括を踏まえ、広報強化に向けて広報戦略本部を設置し、選挙対策を行う総合選挙対策本部を常設としたことを報告。統一地方選挙・参院選への備えを万全にするとともに、いつあるかわからない解散総選挙も向けても体制を強化していくとした。鳩山幹事長はさらに「選挙に勝利して国民の期待に応えられる政治を作り出していくことが民主党の使命。民主党再生が国民の再生に繋がるような国会でのご努力を」と要請した。

 松本剛明政調会長は通常国会に臨む上での行動方針として「前原代表のもとで進めてきた『提案・対案路線』をしっかりと行っていく」と表明。同時に与党に対するチェック機能を高めるとともに、徹底した追及を行っていくとの考えを示した。また、小泉政権5年間における政策の実行度を検証していきたいとした。

 補正予算審議においては、対応が急がれるアスベスト対策に関して政府の責任を明確にした上で、十分な予算が確保できるよう、民主党主導で政府をリードしていく考えを示した。また、耐震強度偽装事件に端を発した建物の安全対策、輸入牛肉の安全確保に向けた加工牛肉の原産地表示制度の導入、さらには子どもの安全対策費を補正予算に計上することなどを政府に求めていくことを明らかにした。同時に国民年金との不平等感の払拭に向け、議員年金の廃止に取り組んでいく考えを改めて示した。

 野田佳彦国会対策委員長は続いて「衆参一体となって、反転攻勢の流れを作り出す国会に」と力強く主張。民主党に十分な質問時間を確保させまいとする与党に対し、粘り強く交渉を重ねた結果、代表質問の質問時間として35分×2人分を確保したことを報告した上で、「仲間が118人だったころよりも質問時間を増やすことができた」として、質問力で秀でた民主党議員の論戦の場確保に向け、引き続き力を尽くしていきたいとした。「まむしのようにくらいついて、すっぽんのように吸い付いて離れない」姿勢で、与党の構造改革の粉飾と化けの皮をはがすべく、徹底追及路線を敷いていくと語った。

 輿石東参議院幹事長からも「怒りを込めて反転攻勢に打って出る」との表明がなされた。

 質疑討論に続いて閉会の挨拶に立った江田五月参議院会長は、「今年は大雪被害で開け、実に過疎地のお年寄りを中心に100名からの方が亡くなっている。これは自然の問題ではなく、政治の問題。自然が社会の問題を抉り出してくれている」として、こうした社会問題の解決に向け、民主党ならこうするという方向性を明確に示していこうと呼びかけた。

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