岡田克也代表は18日午後、党本部において、「『開かれた国益』をめざして―アジア、そして世界とともに生きる―」を発表した。これは党の外交安全保障に関する岡田ビジョンともいうべきもので、10年後の日本が政権交代によって、新しい政府が政権を担っているとの前提で書かれており、(1)10年後の世界と日本、(2)平和で豊かなアジアを実現する、(3)米国との関係を進化させる、(4)世界の平和と安定に貢献する、(5)「開かれた国益」実現のために、の5章からなっている。
岡田代表は発表の記者会見で、「昨年、2015年日本復活ビジョンを出したが、それをより深めて、改めて提示したいと12月の大会で申し上げ、議論してきた。このなかで、外交ビジョンができたので発表させていただく」とした上で、「大きな方向性をもったもので、読みやすく、中身には自信をもっている」と述べた。
また、このビジョンの性格について岡田代表は、「私はこれに固執するものではない。わが党には優秀な議員、専門家がいるので、これに加筆、あるいは変えるということについて聞く耳を持っている。このビジョンの方向性の中で、党内で議論してもらいたい。マニフェストの総論の素材になる」とした。
このビジョンの策定の理由については、「民主党の政策には個々のパーツがあるが、鳥瞰図、全体を示したものが見えにくいとの指摘があった。今回、積み上げ方式ではなく、大きなビジョンを示し、その中で各論を議論していくものとして、このビジョンを示した。有識者と15回ぐらい議論してまとめたものだ」と付け加えた。
ビジョンの内容の特徴については、「現政権が対米一辺倒になのに対して、アジア重視の観点に立っている」ことを挙げ、日米関係に関しては、日米同盟は重要としながらも、「一方的な依存は長続きしない」として、互いに独立国として国の利益を踏まえることの重要性を挙げていること、さらに外交の基調として「自信に裏づけられた謙虚さ」が重要とであることを挙げた。
また岡田代表は、この日が代表就任1周年であることについて、記者の質問に答えて、「今の状態が続けば政権交代は可能。準備は着々進んでいる」、「総理になる準備と自覚はできつつあると申し上げておきたい」と、代表就任1周年の感想を語った。
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