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2006/03/02
【衆院予算委】馬淵議員、国単独の黒字化目標設定の必要性指摘
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 衆議院予算委員会で2日午前、一般的質疑が行われ、民主党・無所属クラブの馬淵澄夫議員が質問に立ち、プライマリー・バランスの黒字化目標について国単独の目標設定の必要性、特例公債依存体質からの脱却、名目成長率と長期金利、量的緩和政策の解除と金融政策などに関して、谷垣財務大臣、与謝野経済財政担当大臣等の見解を質した。馬淵議員は2月14日に同委員会で質問に立ち、与謝野経財相の答弁が「議事録精査の必要有り」との委員会決議で再質疑となった。
 
 元金融庁顧問でコンサルタント会社の木村剛代表が当時も金融庁顧問の座にありながら、日本振興銀行の免許申請に便宜を図り、1億円を受け取ったとされる問題の深刻さを馬淵議員は冒頭で指摘し、木村代表の参考人招致を要請。委員長からは引き続き検討するとの意向が示された。

 馬淵議員は次に、プライマリー・バランスの黒字化目標に関して質問。国と地方合わせて2010年初頭には黒字化を達成するとの閣議決定が2001年になされたことを与謝野経済相、谷垣財務相に改めて確認したうえで、地方財政が黒字化を達成しつつある現状のなか、国の黒字化達成の目標はいつごろをめどに設定しているか、大臣に見解を求めた。

 与謝野経済相、谷垣財務相両大臣の答弁からはあくまでも国と地方合わせた目標設定であり、国だけの目標が立っていないということが明らかになった。
 
 地方財政が黒字化していくなかにあっては、国単独の目標を設定する必要があると重ねて強調した馬淵議員に対し、谷垣財務相は「国と地方、抱えている状況は違っているので、議論をつめていくことは検討に値する」と前向きな姿勢を示した。そうした答弁を受けて馬淵議員は、経済財政諮問会議のなかでも国としての目標値を設定した上での議論を行う必要性を強調し、谷垣財務相に強く求めた。
 
 続いて、特例公債依存体質に関して、「今日、特例公債残高が増えて依存率が41・8%になり、大変な状況になっている」と指摘した馬淵議員は、昭和の54、55年度当時も公債依存度が高かったが、平成2年度ごろに下がってきた財政の歩みを説明。何とか公債依存体質を脱却しなければならないという議論がなされ、59年脱却を目標に掲げたがオイルショック等で達成できず、昭和65年(平成2年)を目途として脱却しようと目標を設定し直し、公債依存度が下がり、脱却を果たすことになった経緯を明らかにした。
 
 脱却を果たした要因について馬淵議員は、「バブル経済による景気の高揚による税収増があるが、もうひとつは隠れ借金、一般会計から特別会計へ繰り入れるべきものを繰り延べていたというものがあるかと思う」と指摘。さらに、本来、現金償還が前提であった特例公債に対して、昭和65年の脱却をはかるために償還ルールの変更がなされたことが大きな要因であるとの見方を示した。そうした認識に立って馬淵議員は、償還ルールを変えてまでも公債依存体質脱却を図ったのが当時の政府であったにもかかわらず、現政府は脱却目標をなぜ掲げられないのか、脱却目標を掲げられないのであれば変更した償還ルールを元に戻すべきではないかとして、谷垣財務相に「放置することに問題はないか」を質した。
 
 谷垣財務相は「過去、特例公債脱却目標を掲げた当時より(依存度が)高くなっているのが残念ながら現状」などと答弁し、特例公債そのものに着目した目標は立てにくいとの認識を示した。また、変更した償還ルールに関しては「撤回すべきではないか。そのときそのときで償還していくべきとの議論は筋の通った議論だと思う。ただ、現在の厳しい財政状況を考えると現金償還の原則に戻した場合、結局特例公債をもう一度発行して償還の原資をつくるということにならざるを得ない」と語った。
 
 馬淵議員はそうした状況は理解できるとしつつも、同時に日本の公債依存度は61.0%に及ぶのが実情ではないかと問題提起し、「こうした実情を本来ならば直視しなければならない財政当局が、償還ルールを元に戻す議論がなされないまま今日に至っている」と述べ、償還ルールを元に戻すべきだったと指摘。財政当局は財政実情を明らかにすることを前提にしない限り、次世代へ付けを回すことにならないようきびしく現状を見極めるべきだと谷垣財務相に注文をつけ、償還ルールの変更に関して十分な議論を重ねるとの答弁を得た。

 さらに、量的緩和政策の解除と金融政策をめぐって、馬淵議員は金融政策目標の設定権限と中央銀行の独立性について言及し、日本銀行の独立性にまで踏み込んだ発言をしている竹中総務相の姿勢を問題視し、中央銀行の独立性が非常にあいまいな点を憂慮し、金融政策の独立性は中央銀行に求められなければならないとの認識を示した。

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