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2006/03/02
【衆院予算委】岡田前代表、改革の成果や格差拡大など首相を質す
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 2日の衆議院予算委員会の締めくくり質疑で、原口一博議員に続いて質問に立った岡田克也前代表は、民営化や地方分権、格差拡大の問題を取り上げた。

 岡田議員は第一に、小泉政権が進めてきた改革の問題点について、日本道路公団と日本郵政公社の民営化を例示して質問を行った。道路公団民営化については、2月の国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)で決定した高速道路整備計画の内容に言及。約100kmを除いて計画通り道路が建設されるという結果について、「国の財政を考えた時に本当に必要という判断であったか」「赤字路線が増えて次の世代に負担を残すことにならないか」と厳しく首相に迫り、2大改革の1つとして始められた議論の成果と言えるか、深い疑念を示した。郵政公社については、郵政4事業を分割して設立される4つの株式会社を束ねる持株会社の問題を取り上げ、現在は100%「国営」会社の様相をなしており、民間に株式が公開されるタイミングが法律に明記されていないとした。

 岡田議員はまた、郵政の持ち株会社については、民間出身者が経営を担うものの、将来的にも株式の3分の1は政府保有であり、道路公団については、国などが全株式を保有していると述べ、民間資本の注入と株主による監視という、本来の民営化の趣旨から外れているとの見解を示した。小泉首相は、民営化するという議論が始まったからコスト削減という民間の手法が出たとして、高速道路の非常電話の設置費用などを例示。これに対して岡田議員は、高コスト体質を放置してきた政府・特殊法人自体が問題だと鋭く反論し、本当の意味での民営化にはなっていないとの主張を改めて述べた。

 第二に岡田議員は、地方分権の問題を取り上げ、三位一体の改革は全国知事会や全国市長会が取りまとめた案から外れ、地方へ裁量権を与えるという本来の目的も失われ、補助率が変わっただけに終わったと評価。首相が「地方にできることは地方に」と言いながら、結局は任せていないとして、中身の無さを指摘した。「本来、地方の責任でやる中から、より効果的な政策が出て無駄もなくなり、効率的な行政になる。そういった意味では全く当初の政策目標を達成していない」と主張し、成果と言えるか疑問を提起した。

 岡田議員は第三に、格差拡大の議論に移り、統計データから所得格差の拡大は確認されないと考えるか、首相に質した。小泉首相は専門家の調査報告に言及した上で、「一人で立ち行かない場合に支え合う体制や手立てをどう講ずるべきかは極めて重要な政治の課題」との認識を表明。さらに「格差の有り無しだけが良い悪いという問題ではない」とした。これに対して岡田議員は、格差存在の有無に議論をすり替えてはならないと指摘し、離職者数や貯蓄額などに関する数字を具体的に例示。「努力すれば何とかなるという社会」を改革の方向性とした首相に、状況認識を正し、競争が格差拡大を招く中で、政治が果たす役割を再考するように要請。格差拡大に立ち向かうためには、機会の提供のみならず、所得の再分配などの具体策が必要との見解を示して質問を終えた。

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