岡田克也代表は3日夕、都内で街頭演説を行った。駅前ロータリーに集まった300人強の聴衆を前に冒頭、「次の選挙で政権交代を成し遂げる、そして日本の政治を変えるという熱い思いでがんばっている」と訴え、その実現に向けて民主党への支持を強く求めた。
岡田代表はまず、自らも質問に立った2日の衆議院予算委員会での小泉首相との論戦でも争点となった、首相の靖国神社参拝問題を取り上げた。中国・韓国を筆頭に多くのアジア諸国が不快感を示す中、かたくなに参拝続行を主張し続ける小泉首相の政治姿勢を、「あまりにも独りよがりだ」と批判。日本国総理大臣としての配慮に欠けたその行動が、国益を損なう結果に至っている点を指摘した。特に首相の靖国神社参拝に起因して、顕著となった反日感情の広がりにより、日本の国連の常任理事国入りをめぐって近隣諸国の理解と支援を得られない深刻な状況に陥っている点を、岡田代表は厳しく指摘した。
更に、「日本と中国がもっとしっかりしなければ、北朝鮮をめぐる拉致問題、常任理事国入りの問題などが前進しない」との見方を岡田代表は示し、自らの信念に固執するだけでなく、大きな観点で物事をとらえるのが総理大臣としてのあるべき姿だと訴えた。
「小泉総理の独りよがりぶりは、内政問題でさらに際立つ」として岡田代表は、続いて郵政民営化問題を取り上げた。国民の支持が得られないのはもとより、郵政民営化関連法案を審議する郵政特別委員会での議論が開始された現時点でさえ、自民党議員からまでも「何のために民営化するのか疑問」との声が相次いでいる点を指摘。できもしないビジネスモデルを示し、国民の利益になるか疑わしい郵政民営化実現にすべてのエネルギーを注ぐ小泉首相の政治姿勢を、極めて深刻に受け止め、「他にやるべきことがある」と指摘した。
先の参議院選挙で国民のノー!の声が示された、強行採決された年金制度改革のやり直し、少子化対策など、国民が求める政治の実現に力を尽くしていきたいとして岡田代表は「自民党ではできない、本当の改革を民主党にやらせてほしい」と主張。政権交代への足がかりともいえる都議会議員選挙での民主党への支援を聴衆に重ねて訴え、聴衆からは「よし、がんばれ」の声とともに、大きな拍手が沸いた。
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