岡田克也代表は13日午後、都内で韓国の羅鍾一駐日大使と会い、両国関係などについて意見交換を行った。
羅大使は、日韓首脳関係について、「ここのところ停滞し、首脳会談の展望が不安定な状況にある。過去の歴史問題、教科書問題等々で関係が悪化している。象徴的なのが総理の靖国神社参拝」と述べつつも、会談継続の重要性を指摘。10日の韓米首脳会談の焦点は、核の問題であったとも語った。岡田代表は、「日韓関係が困難な時期だからこそ、胸襟を開いて両国首脳が話しあうことが重要である。日韓はじめ六カ国が北朝鮮の核開発にブレーキをかける。そのきっかけに首脳会談がなることを望む」と述べた。
羅大使は、両国間の具体的な懸案事項として、強制連行された方々の遺骨問題、サハリンに強制連行され残された人々の福祉問題、広島・長崎で被爆された韓国人の問題を指摘。これらの実務的な話し合いと、在日外国人の地方参政権の早期実現を望むと語った。岡田代表は、永住外国人の地方選挙権付与法案の提出などこれまでの民主党の取組みや、明治以降の歴史認識を深めるために設置した「日本の近現代史調査会」などの新たな取り組みを紹介した。地方参政権については、「北朝鮮の核・拉致の問題がブレーキをかけている面もある」と指摘した。また、仙谷由人政策調査会長も、調査会の位置づけや実務的な取り組み例を説明した。今後、双方はこの問題解決に向け、実務的な話し合いを続け、協力していくことを確認した。
両国間の問題に対する民主党の対応や近現代史の研究を始めることについて羅大使は、「岡田代表のリーダーシップを高く評価する」と謝意を表明。また、岡田代表が発表した外交安全保障ビジョンの「自信に裏づけられた謙虚さ」という言葉について「感銘した」と語った。岡田代表は、「自信に裏付けられた謙虚さ」は一番言いたかったことだとして、言及に感謝の意を表した。
岡田代表は「北朝鮮が国際社会で生き残るため、核・拉致の問題は世界が納得する形で解決しなくてはならない。六カ国協議には期待している」と述べ、日韓が協力して開催に向けての努力することを呼びかけた。また、日本の常任理事国入りに関しては、「日韓関係の将来を考えるとともに、我々の国連における責任を果たしたいという思いを理解していただきたい」と要請した。羅大使は、六カ国協議にあたり、日本の参加に反対する声もあったが、自分は利害や関心がある国は入るべきだと主張したと述べ、「日本が核問題のみならず、この地域の問題で重要な役割を果たしていくべきである。ただ、日本政府がそうした重要な役割を果たすことを自らできなくしている」との懸念を示した。
会談には、藤田幸久国際局長、近藤昭一国際局長代理(民主党日韓議員交流委員会事務局長)も同席した。
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