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2005/06/15
【衆院郵政特】海江田議員、民営化後の姿、秘書官口利き疑惑等質す
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 衆議院郵政民営化に関する特別委員会で15日、郵政民営化関連法案に関する質疑が行われ、民主党・無所属クラブの海江田万里議員がまず質問に立ち、民営化後の郵便料金や金融サービスの実態、郵政民営化をPRする1億5000万円の政府広報をめぐる問題等について、小泉首相はじめ竹中平蔵郵政民営化担当相に質した。

 海江田議員は冒頭、世論調査をもとに、「郵政民営化法案に納得できない」「今国会での成立を目指すのではなく、慎重に審議すべき」と国民意見が大多数を占めている実態を提示。年金や対北朝鮮問題など、優先すべき課題がある中、郵政民営化関連法案に血道を上げる小泉内閣の政治姿勢に苦言を呈した。その上で海江田議員は、年金改革両院合同会議の開催回数や議論内容を質したが、首相は「国会の運営についてとやかく言う立場にない。中身までは聞いていない、概要だけは分かっている」などと答弁。政府が強行採決する形で年金制度改革関連法が成立したが、年金納付率も改善されず、将来の年金不安が払拭できない状況にあっては、抜本改革が不可欠であることを海江田議員は改めて指摘した。

 郵政問題をめぐってはまず、民営化後の郵便料金について質問。3日の同委員会で小泉首相は、「競争があるから値上げは難しい」と述べたのに対し、竹中担当相は、「生産性を上げないと値段に跳ね返る」と答弁し、認識の不一致が見られた点を質した。首相は予測の断定はできないなどと前置きした上で、「競争によってどういう価格を国民が欲しているか、どのような安い料金にしてより多くのサービスを展開できるか、収益を確保できるかいうのはまさに経営者の判断」などと答弁し、明確な方向性の提示を避けた。

 海江田議員はまた、ATM手数料や振込み手数料等が無料である郵便局の現行の金融サービスは低所得者等にとって拠り所だとの認識を示し、「預貯金額が低い人に対し、金利は低い、手数料もいただく民間の金融機関と同じになることを総理はよしとするのか」と追及。首相は「民主主義、自由の時代ですから国民は多様性を重んじる。多様性を展開できる制度をつくることが政治として重要」と述べ、弱者切捨てとも言われかねない姿勢を露呈した。

 続いて海江田万里議員は、同委員会審議を通じてこの間きわめて問題視されている、郵政民営化をPRする1億5000万円の政府広報をめぐり、竹中担当相の秘書官の友人の会社が随意契約で受注した問題を提示。背景に秘書官の口利きがあったのではないかと追及した。海江田議員は、高額な広報であるにもかかわらず、随意契約だったことは極めて不自然であることを挙げ、「入札するのは当然だ」と批判。その関係性を質した。竹中担当相は「秘書官に確認したところ、(受注業者と)面識はあるが、何も利害関係はない」と強調。重ねての質問にも同様の答弁を繰り返すだけだった。

 そうした答弁を受けて海江田議員は、事実解明に向け、昨年12月27日時点での竹中担当相と秘書官との打ち合わせを経て、同日中に秘書官が友人である受注業者に連絡。翌28日早朝、内閣官房参事官に送られたとされる同受注業者からの連絡メールの有無を確認した。林大臣官房政府広報室長は「承知していない」とする答弁を繰り返し、審議は中断。海江田議員は調査した上で明示するよう、委員長に要請した。

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